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全国民必読ついに動き出した「株価2万円」ニッポン経済に何かが起きる 分かっている人はもう分かっている(下)

ここが正念場

日本総研副理事長の湯元健治氏も言う。

「日本企業による海外でのM&A(企業 買収)は、今年の1-3月期も約4兆5000億円。昨年を上回るペースで積極的にM&Aを仕掛けている。これによって設備投資が増える可能性も高 まってきた。設備投資が増えれば、日本経済全体の成長が目に見える形になってくる。そうなれば外国人投資家の日本株買いはさらに増えて、日経平均は2万 3000円くらいまで値上がりする可能性がある」

守るより攻める、貯めるより使う—。

企業経営者たちがそうして果敢に動き出したのは、「インフレ好循環が回り始めることを意識しているからでしょう」とセゾン投信代表の中野晴啓氏は言う。

「い よいよデフレからインフレへ日本経済がシフトし、その好循環が回ろうとしている。ユニクロが値上げ宣言したのが象徴的で、企業はインフレ時代到来による好 景気に食らいつこうと我先にと動き出している。最近、経営が不調なマクドナルドやイオンまでもが、積極的に設備投資に動き始めているのもそのためでしょ う」

第一生命経済研究所首席エコノミストの嶌峰義清氏も言う。

「いま日本で起きているのは、1円を削りに行く消耗戦から、1円でも高くする商品開発の時代への転換です。まさにデフレ脱却の前段といえる現象であり、これが新しく日本経済の歯車を回し出そうとしている。

もちろん、これまでの勝者が勝者のままでいられる保証はありません。ただし、企業の生み出す付加価値にまっとうな価格が支払われる健全な経済が戻ってくるということ。日本経済全体を大きく躍進させる原動力になる」

いま日本株が「2万円」という大台を突破したのは、海外投資家たちがこうした日本の未来を見抜いて、「日本は買いだ」と大きく動いたからにほかならない。

ただし、好循環はまだ始まったばかりである。これが5年後、10年後を見通した時に、どこまでの持続力を持つかについては経済のプロの間でも見方が分かれる。

「仮 に好景気になっても、現役世代は所得増として受け取れるが、引退している高齢者はそれが期待できない。構造的かつ持続的な景気回復にするには、日本の消費 の大部分を占める高齢者がいかに安心して消費を増やせる環境を整えるかがキーになる」(日本リサーチ総合研究所主任研究員の藤原裕之氏)

次期経済同友会代表幹事で三菱ケミカルHD会長の小林喜光氏も、本誌の取材に次のように語った。

「経営者のマインドが変わってきたのは確かです。日本経済もよくなってきている。大切なことは、この成長をいかにサステイナブル(持続的)なものにできるか。日本はその正念場に立っているのではないでしょうか」

日本経済は最悪の状況からは脱した。しかし、新しい課題もまた突きつけられているというのが実情だ。では、その壁は乗り越えられるのか。

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「週刊現代」2015年5月2日号より


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