インターシップが近道!? 日本人がイギリスで就職する際に必要な心構えとプロセス
ケンブリッジ大学キャリア・センター(ケンブリッジ大学HPより)

はじめに

本記事で34回目を迎える「オックスブリッジの流儀」も、これで50週連載の2/3を終えることとなる。2015年はじめから、オックスブリッジの受験対策や大学・研究所としての組織力などを分析してきたが、その締めくくりとして今回は少し視点を変え、英国での就職活動について僕の実体験を交えながら考察したい(僕の人生経験に基づいた持論であるため、あくまで1つの例として参考にしていただきたい)。

"I insist on a lot of time being spent, almost every day, to just sit and think."

これは、かの有名な投資家ウォーレンバフェットの言葉である。驚くべきことに、世界第3位の富を築き上げた彼が何よりも重要だと考えていたのは、ただ座って考える時間であった。

オックスブリッジを目指す人や在学生たちは、やる気や夢に溢れ、忙しい日々を送っていることが多い。そんな中、このウォーレンバフェットのように、ただ座ってゆっくり考える時間を取っている人はどれほどいるだろうか。夢や目標を達成し、長期的な成功を収めるためには、一度立ち止まって考え、未来の可能性を探ることが重要であると僕は思う。これは、就職活動においても同じことが言えるだろう。

英国就職の壁、就労ビザ

僕たち「外国人」にとって、英国で就活する際に、まず問題となるのは紛れもなく「ビザ」であろう。就労ビザが必要となることは、就活においてやはり不利である。しかも、英国では、EU加盟国を中心とした28ヵ国の国籍保有者は就労ビザを必要としない。つまり、英国で就労するためにビザが必要な者には、その28ヵ国の出身者よりもスタートラインが後ろに引かれているといえる。オックスブリッジを含む英国の名門大学を卒業したとしても、これまでの努力や実績がいかに素晴らしいものであったとしても、就労ビザが必要というだけで、平等に評価されないとは極めてアンフェアな話だ。でもそれが、悲しい現実だ。会社側からすれば、ビザをスポンサーするコストに加え、手間ひまかけて育て上げた人材が英国を離れてしまうリスクもあるのだから、仕方のないことではある。

すなわち、英国で就職する際には、ビザを必要としない者たちを圧倒的に上回る能力、人格、やる気を持ち、企業側に「リスクを取ってでも採用したい」と思わせることが絶対条件となるのだ。唯一の朗報は、企業から内定をもらえさえすれば、ビザ取得自体はそれほど難しくないことぐらいだろうか。

まずは「動機」を突き詰めよ

就活における重要な第一ステップは、働きたい業界、会社、そして職種を見つけることである。英国では、採用基準に必須科目や専攻が明記されていないことが多い。つまり、その職に必要な知識や人格を持っていることを証明することができれば、専攻が何であろうと、採用される可能性は大いにある。特に、金融機関の場合は"diversity"を大きく掲げている企業が多く、金融に関係のない物理やアートを専攻していたとしても、内定に至るチャンスは十二分にある。10〜20代の頃の決断に縛られることなく、あらゆるオプションにチャレンジできるシステムとなっているのだ。

おそらく僕は自分のキャリアに関して人一倍悩んだと思う。大学での講義やキャリアフェアを通じて、僕は10代のときにぼんやりと描いていた未来予想図が現実と大きくかけ離れていることに気がついた。そして、この違和感が自分の夢や目標に関して、改めて考えるきっかけとなった。定年退職までを一つの区切りとして考えると、社会人のキャリアは約40年間。とにかく負けず嫌いな僕は、長期的に成功を収め続けるにはどうすればいいのかを考え続けた。悩んだあげく、わずか20年たらずしか生きていない僕に、全ての業界や職種をインターネット上の情報のみで知るのは到底不可能だと感じ、具体的な経験を積むことに決めた。