「アメリカ・キューバ首脳会談」に実質的成果はあったのか?

佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」Vol.059 インテリジェンス・レポートより
キューバ外務省ホームページでオバマとカストロの首脳会談を報告している---〔PHOTO〕gettyimages

【事実関係】
4月11日午後(日本時間12日早朝)、パナマ共和国(中央アメリカ)の首都パナマ市で、米国のオバマ大統領とキューバのラウル・カストロ国家評議会議長が会談した。

【コメント】
1.―(1)
4月11日にパナマ市で行われたオバマ大統領とラウル・カストロ国家評議会議長の会談は、1961年に米国とキューバが国交を断絶して以降、初めて行われたものだ(両国首脳が直接会談するのは1956年以来)。

2.
この会談で、オバマ大統領とラウル・カストロ議長は、敵対関係に終止符を打ち、外交関係を再開し、大使を交換することに合意した。オバマ大統領は4月14日、首脳会談を踏まえて議会に対して、キューバをテロ支援国とする認定を解除すると通知した。

<米大統領、キューバのテロ支援国家指定解除を議会に勧告

【ワシントン】オバマ米大統領は14日、キューバをテロ支援国家指定リストから外すことを連邦議会に正式に勧告した。これを受けて45日間の検討プロセスが始まる。この期間中、議会の議員たちは解除を阻止する措置を講じることもできるが、阻止は予想されていない。

オバマ大統領がパナマでの米州首脳会議に出席していた先週、米国務省はキューバの指定リスト解除を大統領に勧告した。同大統領は国務省の報告を完全な形で検討したいと述べ、その場では議会への勧告発表を控えた。そしてキューバのラウル・カストロ国家評議会議長と歴史的な会談を行い、ハバナとワシントンでそれぞれ大使館が近く再開されるだろうと述べた。

キューバは、テロ支援国家指定リストからの解除を、大使館再開の条件として外交交渉に臨んできた。これに対し米国は、大使館再開の一環として、米国の外交官がキューバ国内で自由に移動できる保証を求めた。大使館は1960年代のキューバ革命初期以降閉鎖されているが、両国は互いの首都に利益代表機関を設置している。

米国務省は昨年12月、キューバのテロ支援国家指定について見直しを開始した。指定リストから外すと、キューバに対する制裁の一部が解除されるが、貿易禁輸は残される見通し。>(4月15日 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版)

3.―(1)
この件に関する各報道からは、米・キューバ関係が正常化した大きな歴史出来事であるという印象を受けるが、実態は異なる。・・・(以下略)

佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」Vol.059(2015年4月22日配信)より