社会保障・雇用・労働
霞が関の「お役所」で、課長の椅子がなくなり始めた。総務省が実施した「BPR」とは?

スタイルが一変した総務省情報システム企画課のオフィス

お役所の机の配置と言えば、一番奥の窓際に課長や課長補佐がずらりと並び、係長以下のスタッフは島式に並んだ机に役人としての序列ごとに座る。

課長はことさら大きな机と椅子に座っているから、課の入口に立った来訪者は、誰が最も偉くて、誰が最も格下か、ひと目で分かる。それが当たり前の光景で、今も脈々と続いている。

これは、伝統的な役所の権威主義の現れで、仕事をするうえで効率的だからそうなっているわけではない。

かつては民間企業の多くも似たような机配置をしている会社が多かったが、今でも「役所流」を維持しているのは重厚長大の伝統的な企業ぐらいだろう。そもそも民間では課長、係長といった役職すら廃止してしまったところも少なくない。

課長の指定席が入口付近に

そんなお役所ならでは、とも言えるオフィスの形をぶち壊そうという取り組みが、霞が関で始まった。

東京・霞が関の合同庁舎2号館9階。総務省行政管理局情報システム企画課の部屋は、これまでの役所の執務室とはまったく光景が異なる。楕円の白いテーブルは自由席。いわゆるフリーアドレスだ。テーブルを囲む椅子の大きさも基本的に同じで、肩書きによる違いはない。

自由席で机には引き出しはないため、帰宅する際に机の上から書類やパソコンは姿を消す。役所の机と言えば、紙の書類がうずたかく積まれているイメージが強いが、まったく違う。

もともと、情報システム企画課自体が、ぺーパーレス化や電子決済を推進してきた部署で、紙の書類を極力排除してきた。パソコン上で作業ができる職場だということもある。

新しい机の配置に変えたのは今年1月から。3ヵ月あまりが経過したが、課員の評判は上々だという。コミュニケーションが良くなり、お互いに何をやっているかが分かるようになった、というのである。

象徴的なのは課長席。本来なら一番奥に鎮座ましましているところだが、入口に一番近い席がどうやら「指定席」になっているらしい。省内の会議で出入りが激しい課長の仕事を考えると、一番合理的な位置取りということなのだろう。

もちろん、この取り組みは情報システム企画課が勝手に始めたわけでもないし、オフィスの形を変えることだけに狙いがあるわけでもない。霞が関の仕事の仕方を根本から見直そうという業務改革(BPR)の一環として始まったのだ。

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