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あなたはご存知でしたか最低額でも年間58万円 がんでも、実はもらえる意外な「公的年金」

——骨折、腰痛、うつ、糖尿、緑内障でももらえます!

もしもある日突然、大ケガをしたり、大病に罹ったりしたら—。そんな時、あなたがこれまで納付してきた「年金」が、助けになるかもしれない。まだ認知度が低い「障害年金」の活用法を紹介しよう。

国はあえてPRしないけど

3年前に肺がんを患った、元家電メーカー社員の望月孝さん(53歳、仮名)は、自身の体験をこう語る。

「'12年の4月、会社の健康診断で撮ったレントゲンで胸に影が見つかったんです。詳しく調べてみたところ、肺がんだと診断されました。

検査入院の後、左肺の摘出手術をしました。手術後は抗がん剤治療の副作用で、食欲がひどく落ち、全身が気だるく、手足も痺れ、とても以前のように仕事はできなかった。結局、会社を辞めることになりました」

手術費用などはがん保険でまかない、蓄えも少々はあるものの、一人息子はまだ高校生。たとえ繰り上げ受給をしたとしても、年金をもらえるのはかなり先のこと。これからの生活をどうするのか、途方にくれた。

そんな望月さんに、思わぬところから「救いの手」が差し伸べられた。がんで公的な補助をもらえるかもしれない—そんな話を、ケースワーカーから聞いたのだ。

「『障害年金』の名前は聞いたことがありましたがどんな制度かは知らなかった。藁にもすがる思いで請求を決めました。

医師に診断書を作成してもらい、年金事務所に請求したところ、私の場合は『障害基礎年金』『障害厚生年金』ともに2級だと認定されました。妻と子の分の加算があって、年額で225万円ほど受給できることになったんです。本当に、窮地を救われました」

望月さんのケースのように、「障害年金」が、がんでも受給できることをご存知だろうか。

「障害」と名前がつくくらいだから、手や足が不自由だったり、身体的な障害に関する年金なのだろう。病気で後遺症があっても、自分とは関係ない年金だ、そんなふうに思い込んでいる人は多いはずだ。

障害年金は、老齢年金、遺族年金と並ぶ、3つの公的年金の一つ。年金加入者が大ケガや大病を患った時に、堂々と請求できる権利である。

障害年金は請求しなければ受給できないが、国は支給額が増えるのを嫌がって、積極的にPRしているとは言い難い。そのため、この制度を知らずに、もらえるはずの年金を受給できていない人は多い。