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全国民必読レポート 彼らなしではもう日本経済は成り立ちません 耐えて儲けよ、ニッポン 中国人「爆買い」ツアーボロ儲けの現場報告(上)
どんなに憎たらしくても、もはや離れられない〔PHOTO〕gettyimages

大嫌いなのに、最高のお客様!?「反中」「嫌中」なんて、もうどうでもいい。お下品だけど、こんなに買ってくれてありがとう

爆買い・爆泊・爆花見—押し寄せる中国人観光客の大群に、街や観光地は占拠された。不愉快な思いをすることもあるが、隣国の成長力をうまく取り込めれば、日本経済に最高の「追い風」になる。

愛想笑いをするしかない

「○×※△□○……!」

飛び交う中国語。何を言っているのかさっぱりわからないが、日本人の感覚からすると、それは話し声というより、罵声に近い。

団体観光客とおぼしき中国人の7~8人の集団が、キャリーカートをガラガラと騒々しく引きながら銀座の一等地にあるデパートのブランド品売り場に押し寄せるのは、今や日常風景である。

「来ました!」

フロアに立っていた売り場の担当の一人が、すかさず内線電話をかける。すると、おそらく中国人が好むのであろう赤い法被を着た販売員が飛んできた。どうやら中国語を話せる「専門」の人材らしい。高級バッグを手にしてベタベタ触っては、気に入らなければぞんざいに棚に戻す客。本物を買ったという証拠にでもするのか、写真を撮り始める者もいる。

そこには高級デパートらしい、ちょっと澄ましたエレガントな空気など微塵もない。それでも日本人の販売担当者は、何百万円も「爆買い」してくれる中国人客の前では、ヘラヘラと愛想笑いを浮かべざるを得ない。

こんな情景が銀座に限らず、日本全国さまざまな場所で見られる。同じデパートに入る化粧品売り場の店員が語る。

「なかにはハンバーガーを頬張りながら、品物を選ぶお客さんもいました。さすがに油だらけの手で触られると困るので注意しましたが、逆にすごい剣幕で怒鳴られました」

ここ数年で、日本を訪れる中国人観光客の数が爆発的に増えている。とりわけ旧正月にあたる春節や、花見のシーズンと重なった清明節には大挙して押し寄せ、観光地はどこも中国人だらけ、ホテルも満室続きだった。上野観光連盟事務総長の茅野雅弘氏が語る。

「ここ1~2年、上野界隈のホテルの稼働率は常に90%以上です。新しいホテル建設の動きも活発化していて、現在も3棟が建設中です」

営業面でいえば、まさに中国人さまさまだ。しかし、街を埋める勢いで増えつつある彼らの姿は、その傍若無人ぶりとあいまって、見方によっては恐怖でもある。上野のアメ横で洋服店を営む店主はこう嘆く。

「大声でやかましいのはもう慣れてしまいましたが、少し離れたところにいる仲間を呼ぶときに指笛を使うのはさすがにやめてほしい。やたらと値切りたがるのにも閉口しますね。試着して商品を決めた後に、『これは私が袖を通したから中古品だ。安くしろ』と言われたのには参りました。それでも、ありがたいお客ですからじっとこらえるしかありません」

同じく上野エリアのホテルで働く従業員も、こう語る。

「備え付けのタオルやコップ、パジャマなどを無料品だと思って持ち帰る客はざらですね。また、朝食のバイキングでスープを取る大きなお玉に直接口をつけたり、並べられたおかずをかじって味見をし、食べかけを戻したりというようなことは、今でもよくあります。水筒をいくつも持ってきて、ジュースやコーヒーで一杯にしていく光景も毎朝のこと。一番困るのは部屋でホットプレートを使って調理する客。廊下まで油臭くて、臭いがとれるまで数日かかりました」

大きな「買い物」としては不動産投資も活発化している。都内でも空き家がますます増えているというのに、山手線内の新築マンションが次々と売れているのは、中国人を中心とした海外からの投資資金が動いているからだ。双日総合研究所取締役副所長、吉崎達彦氏は語る。

「中国人から見て、日本国内の所有権・財産権の確かさは憧れの対象です。中国では、土地は期限付きの使用権ですからね。虎ノ門ヒルズの分譲マンションは、100m2ほどの物件で3億円もしましたが、即完売した。関係者によると『なんとか買い主の外国人比率を半分以下にした』そうです」

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