メディア・マスコミ

ガイアックスとミクシィ・リクルートメントで編集長を経験後、身の回りの不便さを解消するために旅行メディアで起業---Find Travel代表・井出一誠さんインタビュー【前編】

佐藤 慶一 プロフィール
Find Job!スタートアップ

「対象読者になりきる=イタコ化」でメディアづくり

――その後、2013年にはミクシィ・リクルートメントに転職しています。

井出:ガイアックス在籍時の終わりのほうには、「起業してサービスつくりたい」とか「Webマーケティングのプロフェッショナルになりたい」とか、ぼんやりと考えていました。1年くらいどちらに進もうか悩んでいましたが、ご縁があってミクシィ・リクルートメントに転職しました。

自分でもスタートアップをやりたいと思っていたので、メディアの運営経験を生かして、ミクシィ・リクルートメントでもメディアを成功に持っていきながら、スタートアップのことも勉強できる環境だったのがよかったです。ガイアックスは「B to B」でしたが、ミクシィ・リクルートメント(が提供するFind Job!)は「B to C」なので、同じメディア立ち上げといっても、その違いを体感できるのかなと思いました。

――ミクシィ・リクルートメントで立ち上げた「Find Job! スタートアップ」はどのような体制で、どんなメディアづくりをおこなっていったのでしょうか?

井出:まず、メディアの目標として国内スタートアップにとっての「学習の高速道路」になることを掲げました。少数でしたが、社長含めてみんなで相談しながら良いメディアに育てられるように頑張っていました。最初に意識したのは「イタコ化」すること。実際にスタートアップが困ることを体感値としては分からなかったので、スタートアップの経営者や社員などに話を聞いてまわり、困っていることや知りたいことをヒアリングしていきました。

――対象読者になりきる、ということを徹底したわけですね。

井出:そうです。だからこそ、読者の求めているコンテンツをつくることができたと思います。全部の記事をヒットさせるつもりで、イタコ化して分かった実感値を丁寧に徹底的に記事づくりに生かしていきました。内容、読みやすさ、テーマ設定など「これだけやれば絶対読まれるはず」という気持ちで妥協はしませんでした。やはり、ガイアックスとミクシィ・リクルートメントでそれぞれB向けとC向けのメディアにかかわることができたのはよかったです。

――Gaiaxソーシャルメディア ラボと同様、Find Job! スタートアップもヒット記事が多かったです。ただ、運営は短かったような気がします。

井出:運営は10ヵ月でした。ぼく自身としては、ミクシィ・リクルートメントに入社するときに「メディアもつくりたいけれど、サービスもつくりたい」と話していたんですが、Find Job! スタートアップは少人数で記事をつくり込んでいたのでとても忙しくて。そこで、社長だった生田さん(生田将司氏)やまわりのスタートアップの経営者にこれからどうするのかを相談し、背中を押してもらい、2014年1月に退職、起業することに決めました。

旅行キュレーションメディアを立ち上げた理由

――辞める前から旅行メディア(Find Travel)の構想はあったのですか?

井出:1度目の起業なので、確実に勝てるものをやろうと思っていました。それなら経験のあるメディアというフォーマットかなと。そして、自分の身の回りの課題を解決するサービスをつくりたいと考えていて、そのとき不便に感じていたのは、旅行先探しや服探し、家探しなどでした。いまは情報があふれすぎていて、なにを選んだらいいのかわかりづらいと感じている人が多いと思ったんです。

メディアに掛け合わせるテーマとして「旅行」「ファッション」「住まい」などが頭にあったなかで、(女性)ファッションはMERYが大きかったので絶対無理だなと。でも旅行は市場規模が大きく収益化もしやすい。ぼく自身、北海道の洞爺湖という観光地出身ということも理由のひとつです。地方には地元の人しか知らないスポットや体験があるのに、ITを活用した情報発信ができていないと感じていました。

地方にも個人でウェブサイトを立ち上げたり、ブログを更新している人はいます。でも、あまり読まれていないのはもったいないです。それなら人(読者)が集まるプラットフォームをこちらで用意し、地方の人が情報発信して、旅行者がいい体験をしてもらうきっかけになればと思いました。

――2014年1月の退職後、4月の会社設立まではどういう時間を過ごしていたのですか?

井出:ほかの可能性も探りながら、ジャンル選定をおこなっていました。いろんな人に相談したのもこの時期です。「サービス的に筋がいいか」「資金調達しやすいか」などを中心に相談に乗ってもらったり、「メンバー集め」をしていました。ただメディアをつくるのではなく、既存産業とも連携しながら大きなビジネスにしたいという構想をもっていたので、ずっと独立系でやるのではなく、どこか売却することは考えていました。

――体制についても教えてください。共同創業者のCTOの方はたしか、元ガイアックスの方ですよね?

井出:ガイアックス時代にいっしょに仕事をしていたこともあり、起業プランの相談もしていました。そんななかで、ちょうど会社を辞めるという話を聞いて、いっしょにできたらと話を持ちかけました。起業した4月からメディアのリリースの8月までに注力したのは、サイト構築とユーザー(書く人)集めです。当初はぼくとCTOの2人に加えて、インターン生や起業・サービスづくりに興味のある人が手伝ってくれました。

 【後編はあす公開です】

井出一誠(いで・かずあき)
株式会社Find Travel代表取締役社長。1985年生まれ、北海道出身。2008年ガイアックス入社。2010年にオウンドメディア「Gaiaxソーシャルメディア ラボ」を立ち上げ、編集長に就任。2013年にmixiリクルートメントに転職。「Find Job! スタートアップ」を立ち上げ、編集長を務める。2014年4月株式会社Find Travel設立。2014年8月に旅行情報に特化したキュレーションメディア「Find Travel」をリリース2015年2月にDeNAに売却し、DeNAグループ入り。Facebookマーケティングやスタートアップについての講演・著書多数。


 ★ 読みやすい会員専用のレイアウト
 ★ 会員だけが読める特別記事やコンテンツ
 ★ セミナーやイベントへのご招待・優待サービス
 ★ アーカイブ記事が読み放題
 ★ 印刷してじっくりよめる最適なレイアウト・・・などさまざまな会員特典あり

▼お申込みはこちら
 http://gendai.ismedia.jp/list/premium