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死亡者続出!体への負担は少ないが、命の保証もない「腹腔鏡手術」はこんなに危険です(上)
ガスで膨らませた腹部に器具を差し込む。術中、医者の視線は常にモニターに向けられる〔PHOTO〕gettyimages

「体に優しい手術」と聞いていたのに……。結局、その治療を受けたことで命が奪われた。最先端の治療法で死者が相次いでいる。「外科手術の革命」とまで言われ、急速に普及した最新治療の実態とは。

ベテラン医師でも失敗する

「腹腔鏡手術には高い技術が必要です。ベテランの医師であっても難しい。千葉県がんセンターや群馬大学のケースでは、ただでさえ難しい肝臓や膵臓などのがん手術を腹腔鏡で行っていました」(がん研有明病院消化器センター 肝・胆・膵外科担当部長の齋浦明夫医師)

群馬大学医学部附属病院では8人、千葉県がんセンターでは11人が、腹腔鏡手術を受けた後に相次いで死亡した。群馬大学では、最終報告書に不備があったとして再調査を行うことが決まったばかり。騒動は収まる気配がない。

患者が亡くなったのは、下手な医者が執刀した結果だろうと思うかもしれないが、そうではない。千葉県がんセンターで死亡した11人のうち8名を執刀した医師は、腹腔鏡手術の実績が200件を超えるベテランの医師だった。

腕のある医師でも次々と死者を出してしまうほど、腹腔鏡手術は、難しい手術なのだ。

傷が小さくて回復も早い—そんな触れ込みで広まった腹腔鏡手術だが、どんな治療法なのか。

まず、腹腔内に炭酸ガスを注入してお腹をパンパンに膨らませる。器具を動かす空間を確保するためだ。その後、5~10mm程度の孔を数ヵ所開け、そこに鉗子や腹腔鏡(カメラ)を入れる。術後、お腹に残るのは、この小さな孔の痕だけだ。医師は、カメラがモニターに映し出す画像を見ながら鉗子を動かし、病巣を切り取っていく(次ページのイラスト参照)。