古賀茂明さんに質問 「大量生産、大量消費の経済が限界にきているなか、この先の世界経済の仕組みはどうあるべきかビジョンはお持ちですか?」
「古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン」vol124 読者とのコミュニケーションより

【質問】 (略)安倍さんの支持率の高さというのは、幻想なのかもしれませんがアベノミクスへの期待によるものだと思っています。1月のメルマガでも金で恫喝すれば、国民は言うことを聞くというような話もありましたが、多くの人たちは、毎日の生活を不安にさらされながら、明日はどうやって生きていこうというような経済状況に追い込まれつつあるように感じています。

一方で、経済はと言えば、国内ではこれまでのようにモノは売れないし、国際競争もどんどん厳しくなる一方で、最後は、武器や原発を売るとともにカジノで儲けるくらいの発想にしか行き当たらない。

私は、地球環境の制約もあり、今のようなモノがあふれている生活を変えていくしかないと思っていますが、一度便利さや快適さを享受してしまうと、それを失うことへの不安感が大きくてなかなか合意は得られない。自分の仕事の中では、少しずつ地産地消の仕組みへと転換していこうと取り組んでいますが、その先にある社会の姿がイメージできないので、説得力のある説明ができない。

古賀さんは将来の世界経済の仕組みはどうあるべきかビジョンをお持ちでしょうか。お聞かせいただければと思います。

* * *

――古賀: あまりにも大きな質問なので答えるのが難しいのですが、私が提唱しているフォーラム4の基本理念を見ていただけると大体の輪郭をイメージしていただけると思います。

フォーラム4の基本理念
http://forum4.jp/%e7%90%86%e5%bf%b5/

おっしゃるとおり、これまでのような大量生産大量消費、環境を食いつぶすような経済成長には限界もありますし、現代の日本人が本当に望んでいる社会ではないと思います。一方で、しばらくの間は、少子高齢化が続き、増える高齢者をしっかり支えていかなくてはなりません。そのためには、今のままでは、若者の負担が大きくなりすぎます。

私は、そんなに簡単な答えはないと思います。かなり厳しい道のりを予想しなければならないでしょう。その時にどうやって社会の仕組みを変えながら、みんなが納得できる解を見つけるのか。

例えば、社会福祉について考えます。
カギとなるのは、みんなで普通に頑張る(つまり、競争を否定しない)、正当な理由なく他の人より優先・保護されている人たちは、その特権を手放してもらう(既得権と闘う)、少しくらい苦しくても政府に頼らない(その程度の人を助ける余裕は政府にはなくなる)、ただし、本当に恵まれない人には必要な支援を惜しまない。では誰を助けて誰を助けないのか。

その基準は、少し生活が苦しいなと思う人から見ても、この人のことを放っては置けない、自分の小遣いを減らしても助けてあげたいと思えるかどうか。そうであれば、国が貧しい人からも徴収した消費税などでその人を助ける福祉政策を行うことが許される。一方、農家は可哀想だというような基準でお金をばらまくことはしない。年収200万円のワーキングプアの人たちから集めた税金で、息子が公務員で自分は引退後に細々とコメを作っているが大赤字だから補助金を欲しいと言う農家にお金を配ることにそのワーキングプアの若者が納得するかというとそうは行かないでしょう。

みんなが助けたいという人たちだけに支援を集中するということが基本になると思います。もちろん、お金にゆとりがあれば、もう少し支援の範囲を広げてもいいですが、そのときも、農家だから、高齢者だから、中小企業だからというような大雑把な理屈で、自民党などの支持層に支援を拡大するというようなやり方を否定することが大事です。

社会福祉についての国の役割についての考え方を変えていく議論のほんの一例を挙げましたが、こうした、素朴な基本論に立ち返った議論を雇用政策、産業政策、エネルギー政策、外交政策、安全保障政策などについて、国民の間でして行くことが必要になっていると思います。・・・(以下略)

古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン vol.124(2015年4月10日配信)より