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ご存知でしたか まもなくクルマが家電になって自動車産業は消える
小型化が進む電気自動車〔PHOTO〕gettyimages

日本のメーカー・下請けがガタガタに事故激減で保険会社もお役御免スピード違反がなくなり、交通警察も不要

自動運転車が便利なのは間違いない。だが果たして、待っているのは誰にとっても「明るい未来」なのか。自動車産業、ひいては日本経済の根幹を揺るがす、第4次産業革命が起きようとしている。

便利すぎるがゆえの誤算

整然と並んで走るクルマの群れ。クラクションも鳴らなければ、エンジン音もせず、静かに、滑るように進んでいく。常に同じスピード、同じ車間距離で走り続けるその群れに、渋滞は生まれない。

車内には、子供とテレビ番組を楽しむ家族や手を取り合って語り合うカップル、携帯で話しながら書類を作成するビジネスマン。そして事件や災害が起きた時には、クルマの群れは一斉に道を空け、そのレーンを緊急車両が猛スピードで駆け抜ける—。

漫画やSF小説の中だけの話だったそんな「夢の世界」が、まもなく訪れようとしている。

経営コンサルタントの鈴木貴博氏が言う。

「完全自動運転の登場によって、我々の利便性が高くなることは間違いない。ただ一方で、便利すぎるがゆえに、あらゆる産業や社会構造に大きな変化をもたらすことになります。

その変革の規模は、第4次産業革命といっても過言ではないレベルでしょう。そこにはもちろん、『変革の犠牲者』も存在する。もっと言えば、現在、自動運転車の開発を進めている自動車産業すらも、消滅の危機にさらされるはずです」

自動運転車の普及をリードするのは、当然、既存の自動車メーカーが中心となる。トヨタや日産といった国内大手が次々と自動運転車の開発に着手しているのを聞き、そう考えていた人も多いのではないだろうか。

だが、現実は違う。なぜなら、自動運転車が一般的になった社会では、クルマは「家電のひとつ」になるからだ。

前出の鈴木氏が解説する。

「近い将来、自動運転車の燃料がガソリンから電気に変わる可能性は限りなく高い。すると、エンジンが不要になり、クルマはモーターで走るようになります。エンジンはクルマをクルマたらしめる、技術力の結晶。現在の自動車メーカーの優位性はまさにそこにあり、逆に言えば、それがなくなるということは、誰でも簡単にクルマを作れるようになる、ということです。

そうなれば、IT企業やベンチャーも自動車産業に次々参入し、熾烈な価格競争が始まるでしょう。アイリスオーヤマ製のクルマが、島忠ホームズで売られるようになっても何らおかしくないのです」

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