【舛添都知事日記】私の失敗から得た2つの教訓---団塊世代の健康管理について
入院前日には「東京開業ワンストップセンター」開所式に出席した 〔PHOTO〕gettyimages

もっと早く検診すべきだった「持病」

4月1日に都内の病院に入院し、翌日に変形性股関節症の手術を受けた。左の股関節が傷んでしまい、腰痛も限界に達したので、チタン合金性の人工関節に取り替えたのである。幸い、手術も成功し、術後の経過も良好である。

私は、かねてから腰痛に悩んでいた。20年前に、母が認知症になったとき、介護で母を移動させる際などに無理な負荷を腰にかけたせいか、腰を痛めてしまった。それ以来、鍼灸、マッサージなどで痛みを和らげながら、この「持病」と付き合ってきた。8年前の参議院選挙のとき、過酷な選挙戦を戦うべく全国を遊説して回ったが、腰痛で足を引きずるほど辛かったことがある。しかし、このときは、選挙後にマッサージに通った成果で、次第に痛みはとれ、正常な歩行に戻っていった。

選挙後に、安倍内閣の閣僚となったが、腰痛で公務が阻害されたような経験はない。予算委員会などの長時間にわたる審議で座り続けていても、何らの問題も生じなかった。ただ、その間、鍼やマッサージは定期的に続けていたので、それが体の疲れを取ってくれていたのかもしれない。温泉好きなので、湯治にも励んでいた。

しかし、昨年の寒い時期に行われた都知事選挙のときに、腰痛の激化、足の引きずりという症状が出てきた。選挙のときは、体力を使うし、睡眠不足などの無理が蓄積する。網膜剥離で緊急手術を受けたのも、14年前の参議院選挙のときである。大平元首相は、総選挙のときに「戦死」したが、選挙は昔で言えば、まさに命がけの戦いであり、政治家にとって、名実共に生死を決する極限状態なのである。

知事に就任してからがまた激務の連続で、昨年の海外出張は6回にもなった。休むに休めず、鍼とマッサージで自分の体を騙しつつ、公務を遂行してきた。しかし、痛みも限界に達してきたので、整形外科の本格的な診療を受け、レントゲン、CT、MRIなどで腰回りを検査したところ、問題の箇所は腰ではなく、股関節であった。簡単に説明すれば、関節の潤滑油である軟骨がすり減ってしまい、骨と骨がぶつかり合い、それが痛みの原因となっていたのである。

したがって、腰のマッサージで治癒するわけがないのである。医者にも言われたが、「もっと早く検診すべきであった」ということである。