リンクトインがリンダドットコムを約1,800億円で買収の意味---学びとキャリアのビジネス・プラットフォーム構築へ

「スキル獲得」プラットフォームを持つことで一気通貫のサービスを得たリンクトイン

ビジネス系SNSのリンクトイン(LinkedIn)によるオンラインビデオ学習サイト「リンダドットコム(www.Lynda.com)」を約15億ドル(約1,800億円)で買収するという先週のニュースは、とても驚きを持って受け止める大きなものでした。なぜこれが重要なニュースか、概要をまとめておきたいと思います。

2014年3月にリンクトインCEOジェフ・ウィーナー氏が行った2014年の目標、そしてその後の10年のビジョンを語ったプレゼンテーションを見ることで、同社が持つ壮大なビジョンを知ることができます。そのプレゼンテーションによると、世界の労働者人口約30億人にとって、リンクトインはそのあらゆる人に対して経済の機会を提供するプラットフォームを目指すとのことです。

[1]個人の履歴書的なキャリア情報、[2]企業のプロフィール情報、[3]求人情報、[4]ジョブマーケットで必要とされるスキル情報、[5]学歴などのネットワーク情報、[6]そしてブログ(パブリッシング機能)やオンラインプレゼンテーション共有サービス(Slideshare)、ニュースキュレーションサービス(Pulse)、グループ機能などを通じた知識情報を通じることで、世界の労働者にとっての経済機会を創出する、と語っています。

現在3億4700万人と言われている世界中のリンクトイン利用者にとって、既にビジネス、キャリアに関するさまざまなデータを可視化することには成功しているものの、今回リンダドットコムを獲得したことで、利用者は21世紀の労働市場で求められるスキルを獲得することが可能になりました。また、そのスキル・データそのものがリンクトインの膨大なキャリア・ビジネスのデータ蓄積・解析対象として加わることになります。

アドビ、アップル、マイクロソフト等の実用的なソフトウェアに始まり、ツイッター、フェイスブック、リンクトイン、ブログなどのソーシャルメディアツール、またビジネススキルや動画や画像処理などのスキルを身に付けるためのオンラインコースが約6300講座(267,000本以上の動画コンテンツ)用意されており、個人会員であれば1人毎月25ドルを支払うことでオンライン上のコンテンツをすべて視聴することが可能になります(その他政府機関、企業、大学などでの法人契約でも幅広く利用されています)。

開発途上国の若者や経済状況の格差により教育機会が限られている人、職場に押し寄せる新しいデジタルテクノロジー活用のスキルを身に付けることで新しい時代の雇用機会を得ようとする人にとって、リンダドットコムが提供するサービスは経済機会を得るための貴重な職業開発手段となり、その上でリンクトイン上のネットワークによる経済機会のマッチングがさらに加速していくことになると思われます。

私もさっそく「Up and Running with LinkedIn(リンクトイン入門講座)」という2時間18分の講座を受講してみました。知っているようで具体的に理解していなかったリンクトインの機能や活用のコツなどをコンパクトに習得することが簡単に出来ました(細切れに編集されているので最新の機能なども丁寧に盛り込まれている点に驚きます)。またそのコースを終了したこともワンクリックで簡単に自分のリンクトインのプロフィール内のサーティフィケート(認定書)セクションに追加することができ、自分がどんな興味、情熱、スキルなどを持っているかを示すことができます。

クラウドソーシングの大手サイト「oDesk」で「リンクトイン・コンサルタント」と検索してみると、すでに13,000人もの人がプロフェッショナルとしてリンクトインの活用方法に関してのアドバイスをする「職業」が生まれていることに驚きます。

数あるコースの中で私が最も感動したのは、『Marketing Tips』という講座で、毎週6分〜10分程度でその週に起きた新しいデジタルテクノロジーの最新動向、特にソフトウェア、ツールの活用法に特化してコンパクトにまとめてくれるものがあります。例えば4月第1週目のトピックは今話題のライブストリーミング配信アプリ、ミアキャット(Meerkat)とペリスコープ(Periscope)の具体的な使い方とその比較がコンパクトに8分弱の解説動画として紹介されています。

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