世界経済 金融・投資・マーケット
もはや「利上げ期待でドルは上昇する」という発想は通用しない

3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨の発表による市場参加者の反応は、為替相場ではドル買い、債券市場では債券買い(金利低下)のきっかけとなった。その背景には、FRB(連邦準備理事会)の金利引き上げの期待がある。

一方、足元で、天候の影響もあり米国経済の回復ペースは幾分鈍化している。それに伴い、景気の先行きに対する慎重な見方が増えており、株式市場の動きはやや不安定になっている。景気の先行きに不透明感が高まると、利上げへの慎重論も高まりやすい。それは、為替市場ではドル弱含みの材料となるはずだ。

米国景気の減速懸念

年初来の米国株式市場の動きをみると、主要企業から構成されるS&P500指数はほぼ横ばいで推移している。長期金利は一時、2.2%台にまで上昇したが、その後は低下している。これは、ドル高による企業収益圧迫など、景気回復に対する慎重な見方を映していると考えられる。

為替相場に大きな影響を与える、投機筋のドル買い・円売りポジションも縮小している。それは、ドルの上昇相場が一旦収束しつつある兆しといえるだろう。その背景には、ドル上昇を受けて利益を確定しようとする動きに加え、米国経済が更なるドル高で景気減速が鮮明化するとの懸念があるとも考えられる。

そうした状況を考えると、今後、利上げ期待があるからドルは上昇するという発想は通用しづらくなっている。過去のFOMC等で議論された内容を振り返れると、利上げのタイミングは後ずれしてきた。今後もそうした可能性は残っていると見られる。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら