政局 中国
習近平による江沢民退治がいよいよ最終局面へ! 着々と「包囲網」を敷く習近平政権の最新動向
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この「北京のランダムウォーカー」のコラムが、今週号で250回を迎えました。2010年4月に、当時、北京に住んでいた私のところに、現代ビジネスの瀬尾傑編集長から「日本では知り得ないビビッドで詳細な中国情報を毎週書いてほしい」と依頼されて始めました。途中、2012年7月に私は帰国しましたが、連載は毎週月曜日に更新し続けて、丸5年が経ちました。その間、中国は胡錦濤時代から習近平時代に変わり、社会も激動しました。

ここまで続けてこられたのも、ひとえに毎週ご愛読いただいております読者の皆様と、編集部の方々のおかげであり、深く感謝しております。引き続き、連載500回、丸10年を目指して精進していく所存です。

以下、今週は最新の「習近平の権力闘争」について書きます。

ウィキペディアで元最高指導者の父親を「売国奴」扱い

習近平政権が、最大の政敵である「江沢民包囲網」を、着々と敷いている。

中国のインターネットの世界は、厳しい検閲で知られる。グーグル、ヤフー、ツイッター、フェイスブック、LINEなどがすべて禁止である(つまりクリックしても入って行けない)。その他、習近平政権に都合の悪い内容は、中国語だろうが英語、日本語だろうが、すべてシャットアウトされる。

ところが最近、このような中国の厳しいインターネット規制の中で、ある一項目が「解禁」になった。それは、「江世俊」という人物に関する記述だ。

例えば、中国語版のウィキペディアで江世俊を検索すると、次のように書かれている。

〈 江世俊(1895年8月-1973年1月)、号は冠千、江蘇省揚州人。祖先の戸籍は、安徽省寧国府旌徳県白地鎮江村。江世俊の祖先は安徽省旌徳人だが、後の戸籍は安徽省婺源(現在は江西省)に一時あり、また安徽省旌徳に戻った。元中国共産党中央総書記、中華人民共和国主席江沢民の実父。また江石渓とその前妻の息子の一人である。異母弟の江上青は中国共産党革命の烈士となった。江世俊は汪精衛(汪兆銘)政権の宣伝部副部長兼社論委員会主任委員。

早年生活 出生は江家村。幼年期に父親に連れられて揚州へ来る。現在、父親が啓蒙したという私塾は考証ができない。後に、当時の状元張(科挙トップ)張謇が創立した両淮中学堂に合格した。この学校は、揚州初の公立の西洋式正規中学。1927年に改名し、揚州中学となった。

売国奴問題 抗日戦争の期間、江世俊は「江冠千」と名乗った。金陵(南京)の汪精衛(汪兆銘)政府の宣伝部副部長兼社論委員会主任委員を担当していた。国民党政府の「売国奴懲罰条例」及び中国共産党のこれまでの慣例に従えば、ニセの軍科級以上の公務員は、すなわち売国奴と定めている。

家庭 妻:呉月清 仏教徒
三人の息子:江沢民、江沢君、江沢寛
●本ページの最終の改定は、2015年4月7日火曜日00:55 〉

以上である。この中の「売国奴問題」という部分が、最近新たに加えられたものと推察される。これまでは、元最高指導者の父親を「売国奴」扱いするなど、御法度だった。