民間金融機関のファンド設立相次ぐ
農林漁業の会社設立を後押し 銀行「伸びしろ」に期待[6次産業化]

6次産業化支援ファンド設立の協定書に調印した(右から)倉橋基・但馬銀行頭取、広瀬栄・兵庫県養父市長、河野雅明みずほ銀行副頭取ら=神戸市内で14年10月20日

農林漁業をめぐる金融機関同士の融資争いが激化している。これまではJAバンクなど農業系金融機関の独壇場だったが、都市銀行や地銀など民間金融機関が「6次産業化」の動きを支援するファンドを次々と発足、虎視眈々とシェア拡大を狙っている。地域経済の活性化や雇用創出などにつながる6次産業化への金融支援の拡充は、政府の地方創生戦略においても大きな期待が寄せられている。

6次産業化とは、生産者が農作物の生産や水産物の漁獲にとどまらず、それらを活用した加工食品の製造、販売、レストラン経営などを手がけるビジネスモデルだ。「1次産業」の担い手が、「2次産業」「3次産業」に挑むことから「1」「2」「3」を掛け合わせて「6次産業」と呼ばれるようになった。

農業の競争力強化を掲げる政府も、2014年6月に改定した新しい「日本再興戦略」で、6次産業化による関連市場の規模を20年までに10兆円に拡大する目標を打ち出す。生産物の付加価値が高まり生産者の所得向上が期待できるほか、工場の運営などを通じ地域の雇用確保など波及効果も期待できるためだ。

6次産業化を目指す生産者にとって、最初の壁となるのが事業の核となる会社の設立だ。資本金の手当てなど、資金面の問題がハードルとなり、事業化を断念することが多かった。このため政府は13年2月、6次産業化に取り組む生産者に会社の設立資金を供給する「農林漁業成長産業化支援機構」(A-FIVE)を設立。A-FIVEが6次産業化に取り組む資金の供給源となるファンドへの共同出資を民間に呼びかけたところ、全国の金融機関が一斉に飛びついた。

金融機関が関心を寄せたのは、その支援のスキームだ。

まずA-FIVEと民間金融機関が折半でファンドを設立。生産者が設立した6次産業化会社の資本金のうち、最大50%をこのファンドが負担し資金面で事業のスタートを後押しする仕組みだ。