リオ五輪最終予選に向けて一抹の不安を残したU-22日本代表の3試合
FW久保裕也の先制ゴールを守りきりマレーシアに辛勝したU-22 日本代表 〔PHOTO〕gettyimages

「暑熱対策」は十分だったか

ヴァイッド・ハリルホジッチ新監督の日本代表の陰で、リオデジャネイロ五輪のアジア1次予選が行われました。結果は3戦全勝による首位通過でしたが、私は一抹の不安を禁じ得ませんでした。

今回のリオ五輪1次予選は、3月27日から31日までの間に、中1日で3試合を消化するスケジュールでした。開催地となったのは、マレーシア近郊のシャーアラムです。

22歳以下の選手で編成されるチームは、3月16日に現地入りしました。冬の寒さが居座っていた日本と比べて、東南アジアは蒸し暑さが肌にまとわりつきます。第1戦の10日以上前に離日したのは、いわゆる高温多湿の気候に慣れることが主目的だったと思います。

日本が28年ぶりに五輪の出場権を獲得した1996年のアトランタ五輪アジア最終予選は、今回と同じシャーアラムを舞台としました。西野朗監督(現名古屋グランパス監督)のもとでコーチを務めていた私は、その後何度も東南アジアや中東での公式戦を経験しました。

暑さ対策は、ただ現地に早く入ればいいというわけではありません。

もし私が日本代表のスタッフに加わっていたら、予選の1ヵ月前に現地か現地に似た気候の国へ遠征に出かけたでしょう。10日ほど現地で過ごして身体の汗腺を開かせて、汗をかきやすい身体にするのです。その後帰国しても、1ヵ月ほどは同じ状態を保つことができます。良く言われる「暑熱対策」というものです。

今回のチームも、2月にマレーシアへ遠征しています。しかし、滞在したのは数日でした。これでは、暑熱対策にはなりません。

案の定とでもいうべきか、1次予選の日本は試合ごとにパフォーマンスが落ちていきました。対戦相手との力関係もありますが、初戦のマカオ戦が7対0、第2戦のベトナム戦が2対0、第3戦のマレーシア戦が1対0というスコアは、示唆に富んでいると感じます。

端的に言えば、"ジリ貧"という表現が当てはまる戦いぶりでした。早くから現地入りしていたぶん、暑さにヘバって夏バテのような状態で戦っていたのです。