DeNAがキュレーションプラットフォームの新構想「DeNAパレット」発表---ジャンル特化を武器に、年末までに10媒体へ

「ライフスタイル×エンタメ」「スマホ×リアル産業」という2軸

株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)が4月6日、2014年10月から乗り出したキュレーションプラットフォーム事業で新展開を見せた。これまで女性向けファッションの「MERY」と住まい・インテリアの「iemo」を買収・子会社化、2014年12月からはレシピ・食卓のキュレーションプラットフォーム「CAFY」を運営してきたこの事業で、新たに3つのジャンル特化型のキュレーションプラットフォームの提供を開始することが発表された。

左から、「Find Travel(ファインドトラベル)」、「JOOY(ジョーイ)」、「cuta(キュータ)」

ひとつは2014年8月に運営を開始した旅行情報を発信するキュレーションプラットフォーム「Find Travel」。代表の井出一誠氏はガイアックスで「GaiaX ソーシャルメディア ラボ」、mixiリクルートメントで「Find Job! スタートアップ」を立ち上げ、編集長を務めた人物。DeNAがFind Travelを2015年2月に買収し子会社化。運営開始からわずか半年で売却に至った。3月のMAUは300万人を超えているという。

ほかの2つのプラットフォームはDeNAの自社運営となる。4月6日にスタートした、男性ファッションに特化したキュレーションプラットフォーム「JOOY」と、6月リリース予定の妊娠・出産・子育てに特化したキュレーションプラットフォーム「cuta」だ。cutaは特徴としてメンバーはプレママを含めた全員女性とのこと。3媒体の開始とともに、2015年末までに合計10サービスに拡大する。

この事業拡大に関連し、キュレーションプラットフォーム事業の新構想「DeNAパレット」が発表された。既存のキュレーションプラットフォーム運営者への出資や買収などさまざまな提携を視野に入れ、DeNAの人材やノウハウなどを活用し、ライフスタイルとエンタメを軸にスマホを通じたリアル巨大産業の構造変革を目指す。

DeNAのキュレーションプラットフォーム、4段階の戦略とは

DeNA代表取締役社長兼CEOの守安功氏

今回の発表会ではまず、DeNA代表取締役社長兼CEOの守安功氏が登壇。DeNAの企業概要やキュレーションプラットフォーム事業の近況を共有した。

「DeNAはこれまでさまざまなパートナー企業と提携・協働し、それぞれの強みを生かして多くの事業を手掛けてきた。キュレーションプラットフォーム事業においては、DeNAと昨年買収したスタートアップ2社の強みを掛け合わせてきた。買収後半年経ったiemoとMERYはそれぞれ順調に伸び、iemoはMAU500万人(買収時150万人)、MERYはMAU1600万人(買収時1200万人)。また、iemoとMERYの強みやノウハウを組み合わせて『CAFY』というレシピや食卓に関するプラットフォームも開始した。DeNAは今後、この2社に限らず、出資やM&Aを含めたスタートアップとの協業を拡大していきたい」(守安氏)

同じくプレゼンに登壇したのは、iemo株式会社代表兼DeNAキュレーション企画統括部長の村田マリ氏。「DeNAパレット」という新構想を発表した。

「ジャンル特化型という特徴をもつDeNAのキュレーションプラットフォームには4段階の戦略がある。第一段階は特化したジャンルの読み物を提供すること。第二段階はジャンルを横展開し、媒体数を増やすこと。現在はこの段階にある。第三段階は多数集まったユーザーに対し、ネイティブ広告や広告ネットワークでの広告提供をもとに収益化・メディア化すること、最後の第四段階ではネットの外のリアル世界でのビジネスマッチングを目指す。

MERYであればユーザーがまとめ記事から気に入った洋服をコマースで購入できたり、iemoであればユーザーが記事を読んで家を買いたいとなったときにリフォーム事業者やインテリアコーディネーターとマッチングできる仕組みを提供したいと思っている。読み物メディアにとどまらない、ユーザーの行動につながるプラットフォームを構築したい。

半年前の買収で獲得したiemoとMERYはすでにDeNA社内に組み込まれ、うまく機能している。急成長するプラットフォームにDeNAの得意とするスマホサービス運営のノウハウや経営手法を掛け合わせ、延べ2000万人以上の読者を獲得。この成長で得たノウハウを生かして、グロースハック部門を立ち上げ、さらに加速して新たに3媒体の提供を開始した。

DeNAが得意とするユーザーのスキマ時間を楽しませるという強みは、ライフスタイル分野でも有用であることがわかった。これをベースに2015年末までに4ジャンルを追加し、圧倒的なユーザーベースを獲得したい。この試みに『DeNAパレット』というプロジェクト名を付けた。今後の4サービスは社内でも企画するが、外部企業からの企画持ち込みも積極的に歓迎する。そして引き続き買収も視野に入れている。ライフスタイル分野におけるドミナントな(支配的な)プラットフォーム構築を目指す」(村田氏)