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独占スクープ・インタビューカリスマ・ファンドマネジャー 清原達郎(タワー投資顧問運用部長) 手の内を明かす(上)

特集「株価2万円」その正体1
「トヨタの空売りは絶対におすすめできない」〔PHOTO〕gettyimages

離れた惑星の砂粒の色を見分ける—。本物の投資家が相場の本質を射抜く眼力はこう表現される。では、本物たちの目に「株価2万円」はどう映っているのか。すべての答えが詰まった経済大特集。

最後の大相場になる

カリスマ・ファンドマネジャーの登場だ。

タワー投資顧問運用部長の清原達郎氏。'04年の高額納税者番付で首位に立ち、「推定年収100億円」のスーパーサラリーマンとして騒がれたあの御仁である。

マスコミにほとんど登場しない同氏を、今回本誌は独占インタビュー。日本株市場の見方、今後の展望、投資先など「手の内」を明かした。

私がまず強調して言いたいのは、われわれはアベノミクスの第三の矢に期待をしてはいけないということです。

アベノミクスの第一の矢、第二の矢は大成功を収めています。80円台だった為替は120円台になり、輸出産業は息を吹き返した。株式市場には海外から投資マネーが殺到し、活況に沸いている。民主党政権時代には考えられなかった事態を次々と巻き起こしました。それでも、アベノミクスの第三の矢である成長戦略がまだ実行されていないと批判する方がいらっしゃいますが、的外れな指摘です。

そもそも、日本の潜在成長力はせいぜい0%。これから日本はいかに上手に老いていくか、どのようにうまくゼロ成長を維持していくかという段階に入っています。第三の矢というのは、そんな老いていく人間に無理やりステーキを食わせてフルマラソンしろというようなもの。国民がそれを政権に求めれば、非常に危険な副作用を生むだけです。

第三の矢が放たれないからと政権批判を繰り返せば、アベノミクスが失敗だったという間違った評価になってしまうでしょう。そうなれば、上昇相場は終わってしまう。

続けて私が言いたいのは、インフレにならない限り日本銀行はなにをやっても許されるので、ブル(強気)相場はまだ続く可能性があるということです。

日本銀行はいま2%のインフレ率を目標に金融緩和を実行していますが、実際に2%になれば日本国民にとっていいことはありません。日本国民はすでに消費税増税で打撃を受けており、そこに2%もの物価高が襲いかかれば、家計は大打撃を受けます。

幸いにして、いまは原油価格の下落という「追い風」が吹いているので、物価は上がりづらい。日銀は目標達成のためにまだまだ金融緩和を続けていくでしょう。だから、このブル相場がまだ続く可能性がある。

(1)アベノミクスにこれ以上を求めてはいけない、(2)日銀はインフレにならない限りなにをやってもいい。この2点に加えて、私が3番目に言いたいのは、日本株の大相場はこれで最後だということです。

このブル相場が終われば、日本にはもう二度とブル相場は訪れないと思っています。

なぜそう言い切れるのかといえば、理由は2つです。

1つ目の理由は、すでにいろいろなところで言われていますが、人口動態の問題です。

団塊の世代がいま65歳を突破し、10年後には75歳超。現在、40代前半の団塊ジュニアと呼ばれる世代にしても、10年後には子育てを終える。となれば、今後は内需にはまったく期待ができません。日本全体で消費活動が減退していくのは明らかです。

2つ目の理由は、自動車産業があと10年程度で衰退する運命にあるということです。日本の自動車メーカーは素晴らしい経営をしていますが、どんなにいい経営者をもってしても、これから10年の間に起こる大きな構造変化には耐えきれません。電気自動車の時代が到来するからです。

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