日銀発表「家計のマインド」アンケートが示した追加緩和のリスク
日銀短観では、まだ好景気とはいいがたい photo Getty Images

日銀が実施したアンケート(生活意識に関するアンケート調査)によると、わが国の物価は上昇していると感じる家計が増えている。金利が低すぎるという意見も目立つ。アンケートの結果をみる限り、わが国の家計の多くは先行きに対して慎重な見方を持っているといえる。

また、日銀短観の内容を見る限り、企業の業況感も必ずしも堅調とは言えない。物価の動向を考えると、日銀が追加緩和を打ち出す可能性は高まっているとみられる。しかし、追加緩和が家計の慎重な姿勢を解きほぐすとは言えない。そこに、金融政策のリスクと限界がある。

なぜ家計、企業のマインドは高まらないか

4月に入って日銀が公表した短観、そして生活意識に関するアンケート調査を見ると、企業、家計が先行きに慎重であることが読み取れる。特に、慎重な家計のマインドは、収入への不安に影響されている。それが、企業の業況にも影響している可能性がある。

円安や株価が家計のマインドをサポート出来たなら、投資への意欲は高まってもよいはずだ。しかし、日銀のアンケートからは、その動きが確認できない。家計は攻めよりも守りを重視し、物価が高いとすら感じている。雇用環境への楽観的な見方も相対的には少数派だ。

節約志向は将来への予備的動機を高め、貯蓄への選好を高めやすい。ここで注目されるのは金利水準だ。日銀のアンケートでは過半数が“金利が低すぎる”と回答している。物価が高く、金利が低すぎるという心理がある以上、市場は成長期待に支えられた投資よりも、市場は短期的な投機熱、非合理的な動きに左右されやすいといえる。

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