学校・教育 シンガポール
シンガポールの最新幼児教育事情~多言語で立体的に学ぶ「探究型」学習がすごい!

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立体的なつながりのなかで、多言語で学ぶ

いつまでもリー・クワンユーさんの死を惜しんでも、たぶん彼なら「前を向いて行け」と言うだろうから、今回は未来の話をしようと思う。リーさんの国葬があった日は娘の三者面談の日でもあった。大統領宮殿での記帳を終えて黒装束のまま娘の学校へ向かった。シンガポール人の若い先生たちも「自分の父親や祖父をなくしたようだ」とリー氏の死を惜しんでいた。

さて、ここから未来の話を。娘の最近の大いなる進歩に彼女が通うシンガポールの学校を再評価している私は、どんな学習をしているのか話を聞いた。その学習方法は「探究型」と言われるもので、記憶偏重のアジア教育に対する新たな挑戦にも思える。この学習スタイルには時間がかかるし、教員もトレーニングされていないとできない。だからこそ、通常より高い学費になるのだろう。

例えば、英語の授業であれば、通常は「アップルのA」とだけ覚えるところを、この学校では「AはアリアナのA」とか「アレハンドロのA」といったように同級生の名前を使った応用編まで教える。そして、生徒にどんどんその単語を使わせる。立体的に記憶に刻み込み、同時に、覚えたことを転用させることで応用力を培うのだ。

他にも例えば、先生が「三匹の子豚」の絵本を読んだ後、生徒たちは豚の人形とレゴブロックを使って豚の家を作る。童話のようにオオカミに食べられないように、豚が出入りするドアを塀でブロックしたり、みんなでアイデアを出しながら豚の家を作るのだ。さらに、自分たちで考えて手を動かした後に、同じ童話を中国語の先生が中国語で読む。英語で聞いた内容がレゴ遊びで頭に深く入っているため、そこから中国語を推測し、先生や同級生と確かめ合うことで、今度は中国語が頭に入ってくるというわけだ。

計算も言語もブロック遊びも水遊びもすべて、あるテーマで立体的につながっていて、しかも、英語と中国語という言語の切り替えもある。その流れのなかで、集中力を切らせないようにテンポよく学んでいく。覚えたことを応用して楽しみながら、記憶力や論理的思考力を培っていくのだ。