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「投資の神様」バフェットからこんな手紙が届いた (下) 大切なお客さまだけに 

バフェットからの手紙。(上)はこちら                                          photo Getty Images

投資に見送り三振はない

バフェットに関する著書も多いジャーナリストの桑原晃弥氏は語る。

「話題になっているからといって、自分がよく知らない業界の株を買う 人も多いですが、それは実は極めて投機に近い投資です。サラリーマンなら自分の勤めている会社に関係する業種、主婦なら小売りや食品など、それぞれ自分が 詳しい分野があるはずです。その業界をきちんと見て、情報を集めればプロのアナリストに勝るとも劣らない目が養われる」

バフェットは大富豪であるにもかかわらず、オマハという片田舎の町に住み、好物はハンバーガーとコーラ、アイスキャンデーという質素な暮らしを続けてきた。

「特権階級のような生活をせず、庶民と同じ生活をしているからこそ、世の中のためにどんな産業が貢献しているのか、どんなビジネスが人々を幸せにするのか、肌感覚で理解できるんでしょう」(前出・中野氏)

GINZAXグローバル経済・投資研究会代表の大原浩氏も銘柄選びに時間をかけることの大切さを強調する。

「バフェットはよく投資を結婚に喩えます。『結婚相手を探すときは、両目でじっくり観察しなさい。でも、結婚してからは片目をつぶっているくらいがちょうどいい』というんです。日々の株価の値動きに一喜一憂していると長期投資はうまくいきませんからね」

投資に値するビジネスモデルを持っている企業を見つけたら、あとはそれを適切な価格で買えばいい。明らかに株価が高騰しているときは急いで買う必要はない。バフェットの言葉を借りれば、「野球と違って、投資に見送り三振はない」からだ。バフェットの手紙にはこうある。

「金融市場はときどき現実からかけ離れてしまう傾向があります。なか には2+2が5や6になるという経営者も出てきて、マスコミや国民にもてはやされる。でも、2+2は必ず4であることを忘れてはいけません。そんな算数は 時代遅れだと言われたら、財布を締めて旅行にでも出かけ、数年後に戻ってきてから、安値で株を買えばいい」

現在は世界的な株高傾向にあるが、規模の差はあるにせよ、いずれ必ずリーマンショックのような調整がある。その時に有望株を買うために、現金を用意しておくのもバフェット流の投資戦略だ。

「キャッシュは酸素のようなものです。充分あるときは考えもおよばないけれど、不足するとそのことしか考えられなくなる」(手紙より)

では次に、より具体的な銘柄を見て行こう。