ドイツ
キリスト教国でクリスマスと同じぐらい大きなお祭り「イースター(復活祭)」を経て、ヨーロッパに春がやってくる!
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本来のクリスマスは家族単位の静かな精神的行事

今日は、キリスト教の聖金曜日。イエス・キリストが十字架に掛けられた受難の日で、ドイツを始め、ヨーロッパの多くの国では祝日だ。キリスト教徒にとっては、たいへん重要な日である。

前日の木曜日は祝日ではないが、最後の晩餐が行われた日なので、これもキリスト教会にとっては重要。この木曜日から、受難の聖金曜日を経て、二日後の日曜日には、キリストがお墓から復活するイースター(復活祭)となる。

イースターは大きなお祭りなので、ドイツでは翌月曜日も祝日。つまりイースターは、キリストが蘇った日として宗教的に重要であると同時に、今では、祝日が連なることから国民にとっては違った意味でも重要なお祭りとなっている。学校はどの州でも2週間程度のイースター休みがあり、日本の春休みのような感覚。

キリスト教の国では、イースターは少なくともクリスマスと同じぐらい大きなお祭りだ。そして、どちらが楽しいかというと、文句なしにイースターの方に軍配が上がる。クリスマスとイースターは、同じ宗教行事でも雰囲気がまったく違う。

クリスマスは、宿を求めて彷徨っていたヨセフと身重のマリアが、ようやく馬小屋を見つけ、そこで夜中にキリストが生まれる。真冬の馬小屋であるから、救世主の誕生には、物理的に暗くて寒いイメージが付きまとう。さらに、感情的には、キリストの誕生は喜ばしいことではあるが、同時に、この幼子の歩むべき、厳しく短い人生の予感のようなものが深い影を落としている。手放しで誕生を喜ぶというよりも、もう少し複雑な感情がクリスマスにはある、と少なくとも私は感じる。

キリスト教の信者にとって、クリスマスというのは、自己反省を促す時期でもある。クリスマス前、約1ヵ月ほどの期間をアドヴェント(待降節または降臨節)と呼び、身の回りを清め、静かに1年を振り返り、深い自省を行う期間とされている。1年でいちばん夜の長い時期なので、きれいに片づけた家の中で、自省するには向いている。外は暗く寒いけれど、キャンドルで演出した家の中は、暖かくて敬虔な雰囲気となる。キリスト教におけるクリスマスは、派手なパーティーではなく、本来、家族単位の静かな精神的行事だ。