「性善説で免震偽装見逃し」国交省が、東洋ゴム工業事件の幕引き急ぐウラ事情
東洋ゴム工業はHPで平謝り

「臭いものに蓋」ということなのだろうか。

国土交通省は、3月31日、東洋ゴム工業の免震装置の性能偽装問題に関し、不良品使用が判明した全国55棟の全てで、「震度6強から7程度の地震でも倒壊の恐れはない」とする見解を発表した。

55棟の施設使用者やマンション住民などはひと安心だろうが、問題の本質がそこにないのはいうまでもない。なにより東洋ゴムは、手前勝手に過ぎないか。

不正判明後も1年近く出荷

東洋ゴム事件の不正発覚は、昨年2月、子会社で製品開発を約10年間もたったひとりで担当してきた製品開発部の課長が異動したことだった。

後任が「何かがおかしい」と感じ、社内調査の末、課長が国交相認定を受けた製品よりも、免震能力が低い製品のデータを故意に改ざんしていたことが判明する。

ただ、不良品の納入を止めるのは今年2月に入ってからで、実に1年近くも不適切な製品納入が続いた。

東洋ゴムは、3月13日、記者会見を開いて陳謝したが、1年近くも出荷を続けた理由については、「過去のデータを追跡したりして、何が問題かを突き止めるのに1年かかった」と、説明している。

国交省の31日の「安全宣言」は、その前日、東洋ゴムが報告した調査結果を点検して追認したもの。つまり東洋ゴムは、問題の真相解明には1年もかけたのに、「倒壊の恐れはない」という宣言は、3週間足らずで出したことになる。

その一方で、3月25日、東洋ゴムは不良免震装置が使われていたのは18都府県55棟だけでなく、129棟でも国の性能基準以下のゴムが使用されている可能性があると明らかにした。

行き当たりばったりの感は拭えないが、そこには認定制度を作り、チェックする側の国交省の責任もある。

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