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絶望のシャープ 現役社員が次々と語る 上司は右往左往するばかり。意見具申すれば「ソニーの回し者か」と罵倒された(その2)

(その1より続く)

photo Getty Images

幹部は「液晶ヤクザ」

大阪市阿倍野区にあるシャープ本社に勤める社員は、こう語った。

「やっぱり後戻りできなくなったのは、町田(勝彦氏。'98年~'07年に社長、'07年~'12年に会長)時代やないかと思うんです。

町田さんは、何でも自分の思い通りにしないと気が済まない独裁者タイプ。もともと彼は2代目社長の佐伯旭さんの女婿で、幹部就任が約束されていた。一種の同族経営なんですよ。

社長に就任した町田さんが『これからは液晶だ。液晶で東芝を追い抜く』と言い出した当時、技術系社員の一部からは『ヤバいぞ』という声が出ていた。液晶なんて、ゆくゆくは陳腐化して他社にマネされて安くなり、大赤字を出すことが分かり切っていましたから。

かつてシャープを代表する商品だった電卓は、'64年に卓上型の第1号が発売されてから、15年余りで手のひらサイズまで小さくなって、今では100円ショップでも買えるようになった。液晶も今まさに、そうなりつつあるんです」

今回、取材に応じた社員の多くが口を揃えたのが、「町田体制」がシャープを苦境に陥れたのだ、という見方だった。彼が液晶への「選択と集中」を推し 進め、「絶対に元をとれない」と言われるほど巨額の設備投資を決めたというのだ。天理事業所に勤める、あるベテラン社員も証言する。

「トップに立った町田さんは、異を唱える人をどんどん飛ばし、役員を 自分の意に沿う人に替えていきました。液晶部門にいた役員や幹部の中にも、衝突して辞めていった人が何人もいます。あまりに町田さんやその腹心が液晶路線 をゴリ押しして、反対する人を排除するので、『あいつらは液晶ヤクザだ』と陰口を叩く社員も多かった。

町田さんの後を継いだ片山(幹雄元社長)さんも彼の側近のひとりですが、現役の役員で言えば、副社長を務めている水嶋繁光さんは『液晶の次も液晶』が口癖というほどの『液晶絶対主義者』で知られています。

水嶋さんは、(天理で)一般社員が遠くの駐車場に車を置いて会社まで歩いている横を、外車で敷地に乗り込んでくるような人物で、『殿様気分か』なんて言われている。経営のことを別にしても、問題だと思います」

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