誰もが放送局の時代へ---MeerkatとPeriscopeに見る、ライブ動画中継アプリへの注目
注目が集まる「Meerkat(ミーアキャット)」と「Periscope(ペリスコープ)」

最近とても気になっているデジタル・トレンドの一つにスマートフォン経由で簡単に動画のライブストリーミング配信・視聴を可能にする米国発のサービス「Meerkat(ミーアキャット)」と「Periscope(ペリスコープ)」があります。配信もしくは視聴したことがありますでしょうか?

ミーアキャットは3月上旬に米国で開催された「SXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)」のインタラクティブ部門で一躍話題になり、2007年のツイッターを彷彿させるほどの一大センセーションを生み出したサービスです。ミーアキャットはもともと南アフリカ・ボツワナ南部などの半砂漠地帯に分布するマングースの仲間の動物の名前(別名スリカータ)で、立ち上がって周囲を見渡すポーズなどで知られる可愛らしい動物ですが、きっとそこに名前が由来しているのではないかと思います。

アプリをダウンロードして(現在はiPhone・iPadのみ)、ツイッターの認証でログインをして配信のボタンを押すだけで、すぐに高品質の動画をその場から配信できるというシンプルなサービスです。

配信が始まると自動的にツイッターで通知が投稿されたり、フォローしているユーザーからスマートフォン上で通知が届いたりすることで、視聴したい人はすぐにライブストリーミングを見ることができます。コメントは画面上に表示され、例えばテキストで寄せられた質問に対してリアルタイムで返答をすることが可能です。

ミーアキャットで質問に答えるソーシャルメディア・ニュースサイト「Mashable」CEO・Pete Cashmore氏(左)、ペリスコープで一般市民により放送されたニューヨークで発生した火災事故の様子(右)

期待・不安入り混じりながらも新しいテクノロジー・サービスに対する貪欲さの大切さ

こうした新しいサービスが登場すると、とても興奮して飛びつく人、きっとまたすぐに廃れる、と冷ややかに見る人も多いことと思います。そんな時、ミーアキャットに挑戦している印象的な人を偶然見つけることができました。オンライン・ソーシャルメディア・ニュース・サイト「Mashable(マッシャブル)」CEOのPete Cashmore(ピート・カシュモア)氏です。

私が試しにアプリをダウンロードした3月後半のある日、マッシャブルのアカウントから「CEOピート・カシュモア氏とのQ&A」ライブ中継の配信通知が届き、出張中の京都の地下鉄の中で視聴してみました。最近のデジタル・トレンドの分析、開催されたばかりのフェイスブックカンファレンスのリリースについての感想、そして寄せられた質問に対してもとても丁寧に答えている様子が印象的でした。実際視聴している人は合計で250人くらいだったのですが、私も「京都の地下鉄から視聴している」と感想を伝えると、カシュモア氏や他の視聴者から世界中の地下鉄のwifi整備状況に関するコメントが寄せられ驚きました。

翌日には同じくマッシャブルのアカウントからニューヨークで開催されている有料のシンポジウムのミーアキャット中継の通知が届き、覗いてみると、そこではニューヨーク・タイムズ、ヤフー、ファースト・ルック・メディアなどの先進的なメディア企業のデジタル担当者によるシンポジウムの中継で、カシュモア氏も登壇者としてFacebook上で展開されるニュースコンテンツの未来などについての議論が行われていました。

驚いたのはンポジウムが終了したその時でした。壇上にいたカシュモア氏は一目散にミーアキャット中継中のスマートフォンに駆けつけ、「さぁ、ミーアキャットで視聴していたみなさんからなにか質問はありませんか!?」と読者・視聴者とのエンゲージメント・つながりを新しいメディア・テクノロジーで模索する姿がありました(その際は2500人程が視聴中)。

もしかしたら一時の流行のサービスとしてすぐに姿を消してしまうかもしれない、いやツイッターがそうであったように大きな変革をもたらすサービスかもしれません。ただ、こうして読者・視聴者・トレンドのあるところに身を投じていくカシュモア氏の姿勢にとても刺激を受けた出来事でした。

Twitter上でPeriscopeとMeerkatを話題にしている言及数のグラフ。3/25以降はPeriscopeが追い抜いていることが分かる
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