【沿線革命033】 便利な蒲蒲線を安く早く実現するアッと驚く方策
阿部等(交通コンサルタント)
蒲田と京急蒲田がつながると、羽田空港と東横線、渋谷・新宿・池袋、さらには西武池袋線と東武東上線がつながる(大田区作成PRリーフレットより)

新空港線(蒲蒲線)は、現行の構想では不便で、高価で、工期が長いと言わざるを得ない。便利で、低額で、工期が短くなるアッと驚く方策を提案する。

羽田空港アクセス鉄道の構想が乱立

【019】にて、「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」の答申が2015(平成27)年度中に取りまとめられる予定で、小委員会での議論が重ねられている(http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/s304_arikata01.html)ことを紹介した。

その中で、羽田空港アクセス鉄道は以下のように構想が乱立(https://www.google.com/maps/d/edit?mid=zo0ekc4hc9Xw.kByWNqAe4AJ4)している。
 ・JR東日本の羽田空港アクセス線
 ・新空港線(蒲蒲線)
 ・東京モノレールの東京延伸
 ・浅草線を短絡する都心直結線

蒲蒲線が実現すれば、羽田空港と東急東横線・東京メトロ副都心線・西武池袋線・東武東上線や接続する各線の沿線が結ばれる。

田園調布・自由が丘・中目黒、池上・久が原・旗の台、奥沢・大岡山・武蔵小山、練馬・大泉学園・所沢、ときわ台・和光・志木と、多くの住宅地と羽田空港のアクセスがよくなる。

京浜急行空港線の糀谷や大鳥居のマンションは「品川へ直結○○分、羽田空港は直結○○分」などと宣伝しているが、同様の宣伝ができるようになる。

渋谷・新宿・池袋の3副都心とも直結される。

蒲蒲線は、4つの中で唯一、2000(平成12)年の『運輸政策審議会 答申第18号』において、「2015(平成27)年までに整備着手することが適当である路線(A2)」に指定されていた。

羽田空港アクセス鉄道の4構想の内、2000年答申に記載されていたのは蒲蒲線のみ(2000(平成12)年『運輸政策審議会 答申第18号』より)

ところが、京浜急行と東急電鉄の軌間(線路の幅)が異なることもあり、計画の深度化が進まず、現時点では形勢不利である。

首都中央環状線の全通に伴いリムジンバスがスピードアップ

蒲蒲線をさらに不利にする事象が生まれた。羽田空港と渋谷・新宿・池袋を結ぶライバルが一気に強力になったのだ。

去る3月7日に、首都高速中央環状線の大井JCT-大橋JCTが開通し、中央環状線が全通した。開通後1週間の利用状況速報(http://www.shutoko.co.jp/~/media/18B0A153990546D1A2E13E1BCEDF843E.ashx/)によると、西新宿JCT→空港中央出口の混雑時における所要時間が約40分から約19分に短縮されたという。

首都高中央環状線の全通により新宿-羽田空港の自動車アクセスが大幅に時間短縮(首都高速道路HPより)

新宿のほかに渋谷と池袋も時間短縮され、マイカーの利便性が大きく向上する。リムジンバスも4月1日にダイヤ改正し、羽田空港との行き来が、現行の渋谷30~70分、新宿35~75分、池袋35~80分に対し、それぞれ5~10分短縮される。

蒲蒲線ルートがマイカーやリムジンバスに対抗して利用者の選択を得るには、高い利便性を実現することがますます不可欠となった。