賢者の知恵
2015年03月30日(月)

左遷! さらば、NHK『ニュースウオッチ9』大越キャスター エースはなぜ飛ばされたのか(その2)

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現実的に、官邸が大っぴらにキャスター人事にまで口をはさむことは難しい。だが、官邸の意向を何より重んじる籾井勝人会長とその顔色をうかがう雰囲気が、現在の局内には漂っている。NHK社会部中堅記者が語る。

「もともとNHKの記者、とりわけ政治部記者は官邸と近しい関係にあります。公共放送として予算を通さなければならないので、政界との微妙な調整役を政治部記者が担うことも多く、それもしかたない面がある。しかし、籾井氏が会長になってからは、局と官邸の距離が近づきすぎて、報道の中立という理念は絵に描いた餅になってしまいました」

官邸とNHKの間には、目下4つのパイプがあるといわれている。社会部記者が続ける。

「第1のパイプが、菅官房長官と籾井勝人会長のホットライン。ただし、籾井氏のたび重なる失言が政局になるのを嫌った官房長官は、最近では籾井氏と距離を置いています。むしろいま官邸と近いのは元政治部長の井上樹彦理事でしょう。

他に杉田和博官房副長官と板野裕爾NHK専務理事も親しい。板野氏は現場に『ちゃんとグリップを利かせた報道をしろよ』と伝えて、暗に官邸の意向を忖度するようしむけたがる。

他には今井尚哉首相秘書官と、いま最も安倍首相と親しいと言われている女性記者・岩田明子解説委員のパイプも太い」

これらのパイプを通じて、安倍首相をはじめとする官邸の意向はNHK上層部に伝わる。直接、人事に口をはさむことはなくとも、「大越キャスターの発言はなんとかならないのか」というぼやきが伝わってくると、NHK側がその意を「汲み取って」人事に動くということはありうる話だ。

美人記者との確執

さらに、事情を複雑にするのが、大越氏の古巣である政治部内部での権力闘争だ。前出のNHK元政治部記者が語る。

「現在の政治部長である小池(英夫)さんは、大越さんの同期。昔は二人の仲は良かったそうですが、あるとき原稿の書き方をめぐって対立し、それ以来仲違いしている。

小池さんはとにかく部下に厳しい剛腕タイプ。彼が政治部長になってから、デスクたちは夜勤で朝5時頃まで働いても、翌朝10時からまた会議があるというような環境で働かされています」

NHKでは6月に人事異動が予定されているが、小池氏は編集主幹のポストを狙っているとされる。前出のNHK関連会社の幹部が語る。

「編集主幹のポストは3つあり、それぞれ政治部、社会部、ディレクター出身者が務めることになっています。大越さんが左遷され、小池さんが編集主幹になれば、二人の出世レースは完全に勝負がついた形になる」

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