PARTY中村洋基【第1回】見たこともないようなアイデアをどうやって生み出し、どう実現させているんですか?

オンライン学習サービスschoo WEB-campusとのコラボレーションで、世の中に新しい価値を生み出す「起業家たちの原点」を紐解く本連載。第5弾は、PARTYのクリエイティブディレクター中村洋基さんをお招きしました。

テレビからモバイル、プロダクトまで表現の手法を問わず、テクノロジーやアート、あらゆる領域を超えた作品で世界を席巻する、クリエイティブラボ「PARTY」。2011年に立ち上がったPARTYは、国内外から賞賛を集める4人のクリエイターが率いています。そのなかのひとり、中村洋基さんは、トヨタ「TOYOTOWN」の一環で140万ダウンロードを突破した「しずかったー」や、SANKYOの広告として、日本全国に隠された707枚の「涼宮ハルヒの憂鬱」のイラストを見つけ出し参加型でムービーを完成させる「Haruhi Hunting」など、見るだけに留まらないインタラクティブな作品を世に生み出しています。

チームとしてのPARTYを率いながらも、個人のクリエイターとしてもあっと驚く作品を世に生みだし続ける中村洋基さん。中村さんご自身のアイデアの源泉やPARTYが生まれた経緯など、Schoo-WEB campusの視聴者のみなさんと一緒に、お話を伺いました。

⇒授業の様子はこちらからご覧いただけます。

原体験や日常の中にアイデアの素がある

― 中村さん、本日はよろしくお願いします!

中村 はい! 『徹子の部屋』みたいなテンションで始まるんですね。

― あ、はい(笑)。さっそくお話を伺いしていきたいんですが、まずは、ユニークな作品を多数生み出している中村さんのアイデアの源泉について。中村さんが以前、とあるインタビューで「プロのクリエイターには絶対に外れない『秘伝のタレ』がある」とおっしゃっていた記憶があるんですが、ずばり中村さんの「秘伝のタレ」はなんですか?

中村 そんなことを言った記憶がないのですが(笑)。ただネタ帳みたいなものならつけてますよ。「あ、こんなのできたらいいかもな」みたいなアイデアの種が浮かんだら、ササッとEvernoteに書きためてます。でもね、その種が実ったことは一度もないです(笑)。

― そうなんですね(笑)。

中村 実は、他でボツになった企画がけっこう「秘伝のタレ」になっていたりします。そもそも企画の端緒、アイデアというのは誰にでも思いつくものなんです。でも、思いついたばかりのアイデアって荒すぎるんですよね。その荒いアイデアを企画書にして、クライアントにプレゼンテーションして、ボツになる直前ぐらいまでいくと、けっこう煮詰まってちょうどよくなってるんです。それだけのプロセスを通って残ったものじゃないと、意外と他の案件に応用が効かないんですよね。で、そういうものはどこにあるのかというと、過去の提案書が机の上にぐちゃぐちゃって置いてあるから、その中からバーッと見つける。ちょっと目を通してみたら「意外とこれでいいじゃん」みたいなのがあるんです。

― その企画を出発点に、さらに発展させて考えていくということですね。

中村 そうそう。なんだか適当に考えてるように見えますけど、そういうわけではないです。ただ、常に自分で新しいアイデアを探しに行ったりだとか、TechCrunchGizmodoみたいなサイトを毎日チェックしたりとか、そういうことはそんなにしないです。

― 「ネタを探す」というよりは、ご自身の不満や日々の感情などから企画を作っていく感じになりますかね?

中村 そうですね。例えば「しずかったー」で言えば……、ほら、ツイッターって酔っ払ってたり、ちょっと眠かったりすると、とんでもないこと書いちゃうじゃないですか? 陰口とか悪口とか、ネガティブなことを書いちゃって、朝になって気付いて「ああ、俺はなんてことをしたんだ」ってなりますよね。僕自身、そういう失敗が多かったので作りました。ある意味、自分のために作ったというか。4年前に「うんこもらした」というブログエントリーを書いてから、フォロワーが一気に9000人近く増えたので、下手なことは言わないようにしようと。

― あの伝説の…! かなり話題になりましたもんね。まさかあの体験が、しずかったーを生み出すきっかにもつながっているとは!

中村 だから、割と原体験でなにかしでかしちゃう人のほうがネタを広げやすいんじゃないですかね。これって、純文学も同じじゃないかな。太宰治とか、「ほぼお前の話だろ!」と思いますもん。

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