サッカー
二宮寿朗「新監督決定の今こそ、技術委員会の強化を」

ハリルホジッチ以外に挙がった候補者

 日本代表の新監督にヴァイッド・ハリルホジッチを選んだのは誰か?

 日本サッカー協会(JFA)トップの大仁邦彌会長でもなければ、副会長でも専務理事でもない。過程の最初と最後だけ申せば、A代表を筆頭に代表チームの強化などを担う「技術委員会」が選定し、JFAの最高意思決定機関である理事会が承認するかどうかを決める。アルベルト・ザッケローニやハビエル・アギーレを例にとっても理事会が突っぱねるケースはなく、技術委員会の意思が協会全体の意思ともなっている。

 監督の選定や代表強化の指針を決める重要な任務を担う技術委員会がどのようなメンバーで構成されているか、サッカーファンでも意外に知らない人が少なくない。現在のメンバーは霜田正浩委員長(強化担当)を筆頭に、山口隆文(育成担当委員長)、鈴木満(鹿島アントラーズ取締役強化部長)、久米一正(名古屋グランパスGM)、中西大介(Jリーグ常務理事)、木村浩吉(U-18、U-15責任者、元横浜F・マリノス監督)の6氏で構成されている。育成部門との一体強化、Jリーグとの関係性を重視した陣容だが、代表チームの強化に関しては「強化部会」が委員会内にあり、ここには原博実専務理事ら数名が加わっている。

 八百長疑惑の騒動でアギーレ監督の契約解除に至ってから新監督をどのようなポイントで選定したのか、あらためて振り返ってみることにしたい。

 3月12日に行なわれた理事会後の会見で霜田委員長は委員会内に2つの方針があったことを明らかにしている。1つはJリーグの現職監督を引き抜かないこと。これはかつてイビチャ・オシム監督をジェフユナイテッド千葉から引き抜いた際、ジェフ側からの反発を買った教訓がある。

 そして2つめが「世界を知り、世界での経験を有している監督を選出すべき」。メキシコ代表を率いてW杯で2度、ベスト16に進出しているアギーレを選んだ基準と同様のポイントである。そして組織性、敏捷性など日本人のストロングポイントを活かすスタイルを目指してくれるかどうかも、重要視していた。

 ここからはメディアが報じた情報や筆者が集めた情報も加味して話を進めていきたい。
 技術委員会は最初、5人をリストアップしていたという。

 その名前は明らかにされていないが、元ローマ監督のルチアーノ・スパレッティ、デンマークの名選手でヘタフェ、スウォンジーなどで監督を務め、現在はカタールリーグで指揮を執るミカエル・ラウドルップ、鹿島アントラーズでリーグ3連覇を達成したオズワルド・オリヴェイラ、セレッソ大阪で香川真司や柿谷曜一朗ら若い才能を伸ばしたレヴィー・クルピだと言われている。もう1人は、某代表で確かな実績を持つ名将という情報があった。ハリルホジッチの名前は後のタイミングで、新たにリストのなかに加わったようだ。