第7回ゲスト:中野香織さん (前編)
「『今日の異端は明日の正統』というシマジさんの格言には私も賛成です」

〔写真〕峯竜也 〔構成〕小野塚久男 〔撮影協力〕le Connaisseur 六本木店

美しきダンディテズム研究家との対話

日野 今回は、エッセイストであり、男の究極の美学「ダンディズム」の研究家であり、明治大学 国際日本学部特任教授でいらっしゃいます中野香織先生をお招きしました。このコーナーでは初の女性ゲストでして・・・

島地 おい、日野。これまではずっとオレにおまかせだったくせに、なんで今日は「自分が担当編集者として仕切っています」的な始まりなんだ。お前が美熟女好きだというウワサはやっぱり本当だったんだな。

日野 そ、そんな妙な気持ちはこれっぽっちもありません。突然なんてことを言い出すんですか。

島地 まあいい。東大とケンブリッジ大学で学んだインテリであり、しかもこの美貌であらせられるわけだから、お前がグッとくるのも仕方ない。オレだってはじめてお会いしたときは、それはそれは緊張したものだ。

日野 そもそも、美女と野爺、じゃなくて野獣の接点はどこにあるんでしょうか?

島地 5年前に出た香織教授の名著『ダンディズムの系譜』(新潮選書)を読んで感銘を受け、「この人に会いたい!」と熱烈に思ったのがきっかけでしたね。

中野 ありがとうございます。それでお声かけていただいて対談となったのが3年前のことでした。私の方こそ島地さんの著書や連載を拝読して、ファッションやモノに対する独自の哲学に興味を抱いていましたので、こうしてご縁ができたのは光栄なことです。

島地 わたしはあくまでも「独学の徒」ですが、香織教授のアカデミックな視点からのダンディズム研究は新鮮で、目からウロコが落ちるような部分がたくさんありました。

中野 男性はやはり、自分に直結する問題だから、見方が主観的になるものですが、私は女性なので、100パーセント客観的に見られるところが大きいと思います。それに、雑誌などではどうしても「ダンディズム=スタイル提案」となりがちですが、歴史を知ればそのスタイルの底流に脈々と続く精神をもっと深く知ることができる。そう考えて、系譜を調べ始めたわけです。