東大卒・元官僚×東大院卒・元AV女優&日経記者 「肩書き」にこだわる男・「生き様」にこだわる女 対談<中編>

「東大だからモテる」というバカな勘違いが生む悲劇
東大卒・元経産官僚の宇佐美典也氏×東大院卒・元AV女優の鈴木涼美氏       photo 中央公論新社 写真部 武田裕介
先日『肩書き捨てたら地獄だった』(中公新書ラクレ)を刊行した元東大・官僚の宇佐美典也。自由に憧れ、肩書きを捨てて、残金二万円の地獄を味わった彼が対談相手に選んだのは、元東大院・日経 記者(&AV女優)の社会学者、鈴木涼美。お互い、肩書きを捨てた二人だが、その理由からはプライドに翻弄される「男」と、生き方にこだわる「女」の姿が 浮かび上がる。「日経に就職したのは肩書きをキレイにするため」「東大ならモテるというバカな勘違い」「実力よりもジジイの懐」……。ミもフタもない肩書き対談は佳境に入る! 第1回はこちら

 「東大入れたらそれだけでモテる」という幻想を抱いて

鈴木 ところで宇佐美さんは最近結婚したとか? 奥さんはどんな方?

宇佐美 今結婚して4ヵ月目なんだけど、いい感じで自分のコンプレックスを埋めてくれる存在とでも言えばいいのかな。

自分は「亀頭包皮炎」っていう性器の病気になっていた時期があって、セックスができず、著しく自信を失っている時機があったんです。その状況に陥って、はじめて分かりましたが、やっぱりセックスは男の自信の源なんですよね(笑)。

そのコンプレックスを彼女は受け止めてくれて、そこから回復していく過程も理解して一緒に進んでくれた。一方で、彼女は彼女で、学歴にコンプレックスを持ってるところがあるんですけど、東大出た自分に「この歳になると学歴なんて大して意味ない。何ができるかだ」と言い切られることで、心の穴を埋めている感じはする。

今更ながら「コンプレックスを埋めあえる」って、恋愛とか結婚を決めるに当たって、実に重要な要素だと思いますね。
    
鈴木 私の恋愛観は、『別冊マーガレット』の世界観で止まっていて。「壁ドン」にムネキュンしちゃう、中二病的な価値観。好きなタイプは明確で、関西弁か九州弁で背が高く、腕っ節が強い人なんだけど(笑)。圧倒的に力で組み伏せられる感覚がたまらない。

高校まで明治学院だったんですけど、あそこは共学で。共学って、女子の方が相対的に偏差値が高いんですよね。だから男には頭で勝っている、という感覚が身に付いた一方、力では勝てないという感覚も身に付いていて。そのせいか、未だに男の「賢さ」にはひかれません。あくまで力強さにひかれます。

学歴や肩書きなんてものは、自分で求めて身につけることができたし、いまさら求めません。男には自分に無いものを求めてます。
 
宇佐美「低学歴からのなり上がり」、みたいな存在に惹かれるということ? 

鈴木 というか、夜の世界だろうと昼の世界だろうと、現実の社会のひとつの分野ですごいひと、というのはフェチ的にかっこいいし、単純に惹かれるんですね。ヤンキーチックな性格なのかもしれないけど。

宇佐美 ほとんどの女性って実はそうなんだと思う。

肩書きそのものはモテに無力。そしてその現実に気付いたときの男のショックったらない(笑)。特に「東大入れたらそれだけでモテる」という幻想を抱いて大学生になった自分には、めちゃくちゃ衝撃的だった。