警視庁捜査2課がワースト記録を更新中。「月給泥棒状態」に甘んじる4つの理由
国会議員の贈収賄事件はすっかり摘発されなくなった photo Getty Images

最強の捜査能力を誇る350名の捜査員が摘発ゼロ

医者は患者を治すのが、記者は記事を書くのが、営業マンはモノを売るのが仕事である。それぞれにノルマはあり、仕事量に見合った報酬を手にする。

都道府県警の刑事警察のなかで、350名もの捜査員を抱え、最強の捜査能力を自他ともに認める警視庁捜査2課の仕事は、贈収賄事件の摘発である。

もちろん、振り込め詐欺のような特殊詐欺、特別背任や横領のような企業犯罪も担当しているが、行政の集積地である「霞ヶ関」を管轄する警視庁に期待されているのは、役人が政治家や業者と癒着、国家の方向性を歪め、国民の行政への信頼性を損なわせる贈収賄をチェックすることだ。

その最も期待される仕事を、警視庁捜査2課は、昨年1年間、まったく出来ておらず、摘発ゼロのワースト記録が今も続いている。仕事をしていないのだから勤務評定が出来ない。こういう状態の職業人は、普通、「月給泥棒」と謗られる。

もちろん、「特捜改革」の途上にあって、捜査2課から事件を受ける側の東京地検特捜部が、贈収賄事件のようなシビアなものを受けたがらないこと、法令遵守の徹底で官僚が現金授受やその前段ともいえる業者接待に慎重になっていることなど、時代の変化はあり、捜査2課だけの問題ではない。

ただ、「捜査2課、贈収賄摘発ゼロ」というタイトルで、この問題を昨年末、初めて報じた朝日新聞の取材に、「捜査2課の役割は政官財の利権構造にメスを入れることで、(贈収賄という)罪名にこだわる必要はない」と、警視庁幹部が答えているのは、本当にそれでいいかを議論する必要がある。