[プロ野球]
中日・又吉克樹「9勝よりも1敗の悔しさを糧に」

アイランドリーグ出身選手たちは今 2015年Vol.1

 四国アイランドリーグplusは今年で創設から丸10年となる。若手の育成を大きな柱に掲げたリーグからは、これまで44名の選手がドラフト会議で指名を受け、NPB入りを果たした。

 そんな中、昨季、独立リーグ史上最高位となるドラフト2位で中日入りした又吉克樹(元香川)はリーグ2位の65試合に登板。9勝(1敗2セーブ)をあげ、新人王を争う活躍をみせた。この3月にはリーグ出身者では角中勝也(千葉ロッテ)に続いて2人目となる侍ジャパン選出も果たした。今季はセットアッパーとしてフル回転が期待されるサイド右腕の今を追った。

“勝利を呼ぶ男”

ピッチングのみならず、昨季は打っても4打数3安打だった。

 少し大きめのユニホームが初々しさを物語っていた。

 3月10日の侍ジャパン-欧州代表。初めて代表に選ばれた又吉は8回に4番手でマウンドに上がった。スコアは1-3と2点のビハインド。だが、ゆったりとしたモーションからユニホームをなびかせながら右腕を鋭く振り抜き、わずか9球で相手の中軸を三者凡退に切ってとる。

 この好投に刺激されたのか、侍ジャパンはその裏、チャンスに3連打で3点を奪い、試合をひっくり返す。逆転勝ちで代表デビュー戦での白星が転がり込んできた。

「又吉が完璧に抑えて流れが日本に来た」
 小久保裕紀監督も絶賛する内容で、翌日のスポーツ紙には“勝利を呼ぶ男”との見出しが躍った。

 ルーキーイヤーの昨季は中継ぎながら9勝。又吉が投げるとチームが勝つ。そんなムードができていた。白星を次々とかっさらっていくことから、友利結投手コーチに「怪盗ルパン」とニックネームをつけられた。

「勝ち運があるとか周りが言っているだけで、僕は何も持っていませんよ(笑)。ただ、そう思って使ってもらえるなら、ありがたいですね」

 “怪盗”といっても、先発や前に投げていた投手の白星を盗んだことは1度もない。9勝はすべてビハインドか同点の場面で投げ、味方が得点をあげて手にしたものだ。それだけに、この勝ち星には価値がある。