地域活性化へ、廃校と空き店舗の活用を

前回の「医薬分業」に続いて、今回は規制改革会議が3月12日に開いた公開ディスカッションで扱ったもう1つのテーマ、廃校や空き店舗など「空きキャパシティの利用」について書く。小中高校の廃校や空き店舗は各地で目立っている。ところが、有効活用を図ろうとすると「規制の壁」にぶつかってしまうのだ。

廃校を宿泊施設にするための規制改革

まず、廃校はどれくらい増えているのか。文部科学省の調査によると、2002年には全国で公立学校の廃校が小中高合わせて341校、累積で計2466校だった。03年以降は毎年500前後が廃校になり、13年には482校、累積で7926校に上った。うち7割前後が小学校だ(以下、関連資料はいずれもhttp://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/meeting/2013/discussion/150312/gidai1/agenda.html)。

地域の人々にとって、学校はだれもが親しんだ建物である。廃校になったからといって思い出は消えない。地域外の人々にとっても、古い学校の建物は自分の若いころを重ね合わせて、どこか愛着があるだろう。

そんな廃校活用を検討している官民連携の株式会社「大田原ツーリズム」の藤井大介代表取締役社長は公開ディスカッションで「廃校を体験宿泊が可能な施設にするために、耐火建築物の規制を緩和できないか」と訴えた。地域の人はもちろん地域外からも夏のキャンプなどに観光客を呼び込んで、地域の活性化を目指している。

すでに実例もある。たとえば、栃木県塩谷町にある木造の熊ノ木尋常小学校(1935年築)は改装して「星ふる学校くまの木」に生まれ変わった。客室8室、お風呂男女各1、食堂、資料室、学習室などを備え、子どもたちの合宿や自然学校、星空観察などに活用されている。

地域のNPO(特定非営利活動法人)が運営に当たり、1泊2食付きで小中学生が5250円という料金設定で黒字運営している、という。問題は「約1億円かかった」という改修費だ。規制が緩和されて必要最小限の改修で済むようになれば、ほかにも廃校の有効活用が進むのではないか。そんな問題意識である。

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