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ついに「マイナンバー制度」がスタート!
~この10月からあなたの「収入と資産」は丸見えです

特集!知っておきたいマイナンバーの裏のウラ①
週刊現代 プロフィール

政府は、マイナンバー導入の目的を「社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理」し、「複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることを確認する」ためとしている。平たく言えば、国民一人一人がどれだけの収入を得て、どれだけの資産を持っているのか、国がいつでも見られるようになる。

ゆくゆくは、マイナンバーをもとに国が把握する範囲は、不動産や株式・債券といった有形無形の資産ほとんどに及ぶとみられる。そうして税金の取りっぱぐれをなくし、年金や生活保護の不正受給にも目を光らせようというわけだ。

「脱税や不正受給をしている悪い奴らが取り締まられるのだから、いいことじゃないか」と思うかもしれない。しかし、それは甘い。従来ならいちいち問題にならなかったようなカネのやりとりも、逐一監視される時代が目前に迫っている。

「主に問題にされるのは、カネの『出どころ』がどこか、ということです。

例えば、孫の名義で作った銀行口座にお爺さんがせっせと貯めて、数百万円になったとします。今までは特に何も言われませんでしたが、マイナンバーが預金口座に関連付けられると、そのカネが誰のどの口座から出たものかすぐに分かる。そうなれば、『これは贈与じゃないか』ということになり、贈与税がかかってくるわけです」(税理士法人アーク&パートナーズ代表で税理士の内藤克氏)

マイナンバーの運用が本格的になった暁に、おそらく最大の問題になるのが、こうした家族間などの「身近なカネのやりとり」である。

現行法では、贈与税は年間で110万円以上の財産を受け取ったときに発生する。カネの流れがマイナンバーで追えるようになれば、「未成年の口座に多額の入金があったが、これはどこの誰の口座から出たカネか」「収入の少ない若者がマンションを購入したが、資金の出どころを辿るとどの口座か」といったことまで、税務当局がその気になったら詳しく調査・追跡することができる。

カネの出所まで遡って徴税するとなれば、事実上の「資産課税」が始まると言っても過言ではない。

子の結婚費用にも「贈与税」が

今まで「よくあること」として黙認されていた些細な納税の不備も、マイナンバーが機能し始めれば、どんどん明るみに出てくる。マイナンバー制度に詳しい白鷗大学教授・石村耕治氏が言う。

「ある学生が青森から上京して大学に通いながら、アルバイトをしているとしましょう。彼はよく働いていて、年収が扶養控除の対象になる103万円を超えている。現状では青森の実家と東京では所轄の税務署が違うので、こうしたケースまで追跡しきれません。

しかし、国税庁がデータベースを駆使して各人のマイナンバーと口座・収入を照らし合わせると、即座に『これは控除の対象外』と判断される。申告していなければ、ペナルティとして過少申告加算税や延滞税が課されます。