米国では、2012年時点で、9082所の公共図書館が設置され、利用者数は、1年間に延べ15億人(2012年度PLSレポート)。公共図書館が提供するサービスの中では、とりわけ図書の貸出に対するニーズが高く、ピュー研究所(Pew Research Center)の調査によると、米国人の8割が「図書の貸出」を「とても重要」と回答しています。
また、2014年1月時点で、米国成人の58%がスマートフォンを利用し、42%がタブレット端末を所有。多くの利用者が日常的にモバイル端末に触れるようになったことで、図書館に対する新たなニーズもあらわれはじめました。たとえば、「モバイルアプリを介した図書館情報へのアクセス」に対して、16歳以上の米国人の35%が「非常に望ましい」、28%が「ある程度望ましい」と回答しています(ピュー研究所による調査)。
モバイル端末の普及に伴う図書館の利用スタイルの変化に対し、先進的に取り組んだ事例が、米フロリダ州オーランド市の公共図書館システム「The Orange County Library System(OCLS)」のスマートフォンアプリ「OCLS Shake It!(シェイク・イット)」です。スロットマシーンのようなインターフェイスには、対象年齢・ジャンル・フォーマットという3つの絞り込み項目が並び、モバイル端末を"シェイク"する(振る)と、総合目録に登録されているデータの中から条件に合った書籍などを、ランダムに表示する仕組みとなっています。