大塚家具、考え方もやり方も正反対の父娘。PR会社も使った情報戦、雌雄を決する決め手とは?
株主総会の案内とともに大塚久美子社長のあいさつが並ぶ大塚家具のHP

 プロキシ-・ファイト後はノーサイド

大塚家具の経営権を巡る父娘の対立は、3月27日に開かれる株主総会に向けた委任状争奪戦(プロキシー・ファイト)に発展した。双方、大株主を回って経営方針などを説明し、支持を要請しているほか、PR会社を使った情報戦を繰り広げている。両者の考え方や、情報発信の仕方は対照的で、「世代の違い」を如実に示している。大株主がどちらに投票するかも、案外、世代によって分かれることになるかもしれない。

株主総会で雌雄を決する決め手となる双方の支持株数は拮抗している。筆頭株主である会長の大塚勝久氏は、昨年6月末現在で発行済み株式数の18.04%を保有、会長側に付いている妻の大塚千代子相談役も1.91%を持つ。両者の保有分を合わせると19.95%だ。

一方で、一族の資産管理会社である「ききょう企画」は9.75%を保有する。ききょう企画は株式の10%を千代子氏、5人の兄弟姉妹が各18%を持つ。ここでは勝久氏側の母と長男を合わせても議決権の28%しかなく、兄弟姉妹4人が結束して久美子氏を押しているため、9.75%は久美子氏側になる。

さらに久美子氏側には、昨年12月末で10.13%を持っていたとみられる米国の投資会社、ブランデス・インベストメント・パートナーズが支持を表明。これを合わせると19.88%になる。

ここまでの段階では、ほぼ拮抗しているわけだ。総会までに、残り60%の株式をどちらが確保するのかが焦点になる。

焦点のひとつだった従業員持株会は6月末段階で2.84%を保有しており、12月末には持ち株がわずかに増えている可能性もある。持株会は通常、会社側提案に賛成するのが普通だが、今回は会長側の要求もあり、自由投票となった。株式を100株以上保有する社員が、持株会の理事長に対して、どちらに投票してほしいかを指示する文書を提出している。

会長側から、「久美子社長が社員に無理やり自分側への投票を迫っている」といった批判が報道機関に流されたが、会長側である長男の勝之氏や、会社側の弁護士も立ち会って粛々と行われたという。社長から社員に対して、「どちら側に投票しても、結果が出た後はノーサイド。お客様の方を向いて仕事をして欲しい」という説明がなされたようだ。社員からすれば、投票によって、会長派、社長派といったレッテル貼りがされる事を一番恐れている。