【舛添都知事日記】北陸新幹線が開業! 少子高齢社会における国土開発・都市整備の必要性について

国土開発については正確なデータに基づく冷静な議論が必要

3月14日、北陸新幹線が開業した。東京-金沢間は、これまでより1時間20分短縮されて最速で2時間28分となる。東京-富山間は、1時間短縮の2時間8分である。「和の未来」というコンセプトの新型車両には、最上級のグランクラスもあり、豪華である。東京-長野-富山-金沢を結ぶ北陸新幹線は、人や物の流れを大きく変えるし、経済効果も計り知れない。しかし、観光地を含め、新幹線の開業で潤うところもあれば、逆に停滞するところもある。

少子高齢化が進む日本の国土をどのように開発していくのか。田中角栄氏の唱えた日本列島改造論の負のイメージが強いせいか、国土開発や公共事業については、短絡的な否定論、無駄使い論が声高に主張されることがある。「コンクリートから人へ」のスローガンを連呼すれば、政権交代すら可能となった。むろん税金の不適正な使用については、厳しく監視しなければならないが、民主党政権の失敗を経験した今、正確なデータに基づく冷静な議論が必要なのではあるまいか。

高齢化社会が進行する日本で、公共交通機関、道路、空港などの整備はますます必要になってくる。人口が減少するから、そのようなインフラは必要ないという議論は間違っている。たとえば介護の問題を例にとって考えてみよう。

私は、北九州市に住む認知症の母を東京から通って介護した。7年間にわたる遠距離介護である。それを可能にしたのが、新幹線や飛行機である。前者で4時間、後者で1時間半である。新幹線や飛行機がない地域だったら、1200kmもの距離の移動時間がもっとかかり、遠距離介護は挫折していたであろう。これからも介護が必要な高齢者は増えていく。そして、介護する側の人口は減っていく。そうなれば、遠距離介護など不可能になってしまう。

私は、新幹線をよく利用したが、それは空港よりも駅のほうが自宅からのアクセスが容易で、時間も正確だからである。しかも、4時間もあれば、車内で原稿を書いたり、読書したり、食事をしたりして有効に時間を使うことができる。離着陸時に電子機器の使用などに制限があったり、揺れなどで安定しない時間があったりする飛行機よりも、この点では新幹線のほうが優れている。母親の介護中に出版したほとんどの書籍は、新幹線の中で書いたものである。

親の介護をするときには、自分も中高年になっている。在来線やバスを乗り継いだり、渋滞のなかで自らハンドルを握ったりということになると、心身とも疲れ切ってしまう。迅速かつ快適に移動できなければ、遠距離介護も成り立たない。問題は交通費であるが、交通機関どうしの競争により、より安価にしてほしいし、介護割引制度のさらなる拡大も考えてよい。

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