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まだ上がりそう、でも下がり始めてからでは遅い トヨタ・三菱商事・野村證券ほか「注目株」どこで売るのが正しいか
ついに来た!「株価2万円超えのこれから第5部
〔PHOTO〕gettyimages

いったん利益確定もアリ

「『買い』よりもはるかに難しいのが『売り』」

これは株式投資では常識とされている。株高が続いているとはいえ、「まだまだ上がる」と調子に乗り過ぎていると、大事な利益確定のタイミングを逃してしまうこともある。ここでは、現在は好調を維持している有名銘柄の「売り時」について考えてみたい。

まず、現在の株高を支えてきたのは、次々に好決算を出してきた自動車株。そのリーディングカンパニーであるトヨタは、円安ドル高基調が続いたこともあり、'15年3月期は過去最高益を更新予定で、現在の株価は8000円台をキープ。'14年前半は6000円を下回る水準だったが、10月以降から2000円近くも値を上げており、'07年に記録した最高値8350円に迫る勢いだ。株価は今後どう動くか。

ヤフーファイナンス『投資の達人』で、2年連続でMVPを受賞した投資顧問業「クマガイサポート」代表の熊谷亮氏が語る。

「たしかにトヨタの業績はいいですが、それも既に織り込まれての今の株価なので、これから一段高になる可能性は低い。目先調整、株価は一服の動きが予想されます」

トヨタは北米を中心に海外売上高比率が高く、為替変動の影響を強く受ける。大きなマーケットであるアメリカでは原油安の影響で大型車の人気が復活しており、トヨタ車も大型車を中心に売れている。ただ、主力である『プリウス』をはじめとするハイブリッド車の販売が振るわない。原油安が思わぬ向かい風にもなっているのだ。では、具体的な売り時はいつか。

投資情報サービスを提供するフィスコで株式チーフアナリストを務める佐藤勝己氏が指摘する。

「アメリカでは今年中に利上げがあると噂されており、そうなる前に確実に売っておきたいところ。利上げが行われれば、円安ドル高が進み、トヨタにとっては追い風という声もありますが、私はその逆を考えています。これまでもそうでしたが、利上げ直後は株価が下がる。日本株も米国市場の調整の煽りを受け、株価の下落が見込まれます。当然、米国投資家の影響もあり、トヨタ株は大きく変動することも予想されます」

また、利回りが良いことで人気の商社株だが、昨年9月末のシェールガスバブルの崩壊により、住友商事が大きく業績を落としたのは記憶に新しい。国内最大手の三菱商事も原油安の影響を受け'14年10月に1942円という安値を付けた。ただし、現在では2400円目前まで回復している。

「総合商社というものは石油や金属、穀物など商品の価格変動や為替変動のリスクを常に抱えている。特に商社の中でも、三菱と三井物産はエネルギー分野のウエイトが大きいですから、シェールガスの不調、原油安などによって株価が乱高下しがちです」(熊谷氏)

三菱商事は'10年以来の高値2500円を目前にして頭打ちも近いとされる。今このタイミングで利益確定するのも手だろう。

野村ホールディングス(野村證券)の現在の株価は700円台。2月は100円強も値を上げて好調だったものの、3月に入ってから緩やかな下落に転じた。

証券会社は株式市場の動向により業績が左右される典型的な景気敏感銘柄。上昇を続けたあと、わずかに押し戻されているところなど、日経平均株価との連動性が見て取れる。長期的な運用も良いが、少し調整していると見れば、そのタイミングで買い直しするのもあり。前出の熊谷氏がこう説明する。

「野村證券の株価は直近で1月19日の610円から2月27日の736円まで上昇しました。上げ幅は126円です。株価が上昇局面にある場合、下げ幅は『上げ幅の半値押し』が目安になると言われています。ですから、126円の半分である63円を直近の高値から引いた673円が下げ止まる水準。いったん売却、利益確定してからその水準を待つのもいい」

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