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ここは要注意! 株がどれだけ上がっても、「不動産は下がる」「国債は暴落する」
ついに来た!「株価2万円超えのこれから
人気の湾岸エリアにも不安が……〔PHOTO〕gettyimages

土地バブルは二度と起きない

'80年代のバブル経済では、株価とともに日本全国の不動産価格が、それこそ原野でさえも上昇していった。しかし、21世紀のバブルは、不動産価格の上昇を伴わない。

「'80年代はまだ人口が増えていたため、住宅需要が拡大するのが前提で、不動産が投機の対象になったのです。しかし、人口減少で需要が減ることが確実ななか、再び住宅価格がバブル化することなどありえません」(富士通総研上席主任研究員・米山秀隆氏)

不動産価格は下がっていく。いや、厳密に言えば、都心の一等地だけが上がり、それ以外は下がる二極分化がさらに進んでいく。みずほ証券経営調査部上席研究員の石澤卓志氏が言う。

「地価の動向は人口動態で説明がつけられます。要は、人口の増えている地域の地価は上昇し、人口が減少している地域は地価の下落に歯止めがかからない。いま、人口が増えている都市は東京と名古屋しかありません。つまり、地方都市は今後、さらに不動産価格が下落していき、反転することはないでしょう」

日本の人口はすでに減少し始めているが、高齢者などの単身世帯の増加で世帯数自体は増えている。ところが、東京五輪を翌年に控えた'19年には、世帯数も減少に転じる。不動産市場に与えるダメージは深刻だ。

東京だけは'25年まで世帯数が増加し続ける見通しだが、だからといって東京全域で不動産価格が上がるわけではない。

「東京都内でも格差は出てきます。今後有望な地区はアクセスのいい東京駅や品川駅周辺、そして大規模な再開発が進む渋谷地区。それ以外は、たとえば池袋といった新規の大型案件が予定されていない地区は地盤沈下が進むと見ています」(前出・石澤氏)

たしかに現在、不動産価格は上昇している。人気を集めているのが、湾岸の埋め立てエリアだ。大規模なタワーマンション建設が進み、東京五輪では選手村が設置される。だが、この地区のマンションはすでに供給過多で、東京五輪を前に値下がりするという。

政府・日銀による異常なまでの金融緩和でカネ余りの状態が続いているが、人口減少社会で不動産が魅力的な投資先になることはありえない。余ったカネは株式市場にしか行き場所がない。

不動産エコノミストの吉崎誠二氏も警告する。

「湾岸エリアは上がると見ている人も多いですが、私はそうは思いません。マンションは希少価値で判断されます。だから、角部屋や最上階の部屋は値段が高い。ところが、湾岸エリアは埋め立てるほどに土地が増え、マンションも林立した。希少性が下がっていくわけですから、むしろ値下がりエリアだと思います」

いま、異次元の金融緩和によって金利は過去最低水準に保たれている。逆に言えば、金融緩和が一段落したときに金利は上がる。これこそが不動産市場が抱えるリスクだと指摘する識者は多い。

前出の米山氏が先行きをこう見通す。

「我々の予想では、来年後半には物価の2%上昇が視野に入り始め、金利も上がりやすくなるでしょう。金利の先高感が出始めると、住宅ローン金利も上昇する。不動産市場は乱高下を伴う不安定な状況になる可能性が高く、不動産価格にとってはネガディブ要因です」

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