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怖がっていても何も得られない 確かに「官製相場」「実体なき株高」だが、それでも上がるものは上がる
ついに来た!「株価2万円超えのこれから
〔PHOTO〕gettyimages

安倍政権は株価だけが頼り

そうは言っても日本銀行による異次元の金融緩和政策が始まって、もうすぐ2年。そろそろ限界を迎えるのではないか。

アベノミクスは所詮「官製相場」にすぎない。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が買い支えるのも限度があるのではないか。

そもそも株価が上がっていても、ほとんどの国民はその恩恵を受けていない。日本経済は早晩行き詰まるのではないか。

株式市場から距離を置いている人びとから、このような不安の声が相次いで上がっている。

だが、それでも株価はさらに上がっていく。安倍政権が国策として推進している「株高政策」が、より激烈に推し進められていくからだ。

その一つが、安倍政権の肝煎りの政策で、今年6月に導入される予定の「コーポレートガバナンス・コード」だ。

「これは金融庁や東証が決める企業統治(コーポレートガバナンス)の方針です。経営者側は潤沢な内部留保を投資に回さなかったり、株主に還元しなかったりすると、説明責任が生じます。そのため、多くの上場企業は手元の資金を投資や配当金の増額、自社株買いに回さなければならなくなる。その結果、さらに株価は上昇していきます。

その象徴的な銘柄が、工作機械大手のファナックです。これまで同社は秘密主義を貫き、株主への還元もしてきませんでしたが、コーポレートガバナンス強化の一環で社長が表に出てきて、総額1300億円もの巨額投資を発表。株価は2月だけで約20%も急騰しました」(株式ジャーナリスト・天海源一郎氏)

昨年10月に安倍政権の意向を受けてGPIFが積極運用に舵を切ったのは周知の事実だ。そして、GPIFの日本株買いの余力はまだまだある。さらに公務員の共済年金も、GPIFと同様の方針転換を打ち出した。

「2月27日にGPIFが資産の運用状況を公開しましたが、約137兆円の運用資産のうち、国内株式の割合は約20%でした。GPIFは25%を国内株式で運用すると決めていますので、その割合の達成に向けて、まだ買い増していく可能性が高い。また、公務員の共済年金もGPIFと同様、国内株式を従来の8%から25%へと3倍にする方針ですので、株を買い増す傾向にあります」(経済評論家・山崎元氏)

政府は財界にも賃上げを要請し、景気回復を演出しようと躍起だ。そして効果は表れつつある。

「春闘が本格化していますが、今年は多くの大企業で給料のベースアップが期待されています。そのため、春闘の回答が集中する3月18日頃から、株価も新たな動きを見せると予想しています。個人消費の伸びを期待して、個人消費関連の銘柄が改めて物色されるのではないでしょうか」(大和証券日本株シニアストラテジスト・高橋卓也氏)

日経平均株価はさらに上がると識者は口を揃える。あまりに急ピッチな株価上昇を怖がる必要はない。というのも、安倍政権にとって、株高だけが唯一の胸を張って誇れる成果だからだ。

「私が総理になってから株価が2倍を超えた」

安倍総理がこう言いたいがために、株式市場にジャブジャブと資金が投入されているのである。

株価上昇の勢いが止まれば、日銀がさらなる金融緩和に踏み切るとも囁かれている。

「日銀の黒田東彦総裁は、物価の2%上昇を至上命題に設定しています。しかし、原油価格の下落もあり、その実現にはまだメドが立っていません。そこで年内にさらなる追加緩和を行う可能性は十分にあります。その伏線として、政府は日銀の審議委員に早稲田大学教授の原田泰氏を起用しました。原田氏は積極的な金融緩和論者として知られる。日銀が追加金融緩和を行う際には賛成に回るのは間違いありません」(全国紙経済部デスク)

経済評論家の森永卓郎氏も「株価はまだまだ上がる」と見る。

「大企業の多くは円安の影響で業績がいいのですから、株価に上昇余地はまだあります。順調にいけば、日経平均2万5000円もあるでしょう」

国策に売りなし—。相場格言を地で行く状況はしばらく続きそうだ。

「週刊現代」2015年3月21日号より


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