【沿線革命029】 上野東京ライン開業でこんなに便利になる、もっと便利にできる
阿部等(交通コンサルタント)
上野東京ラインの開業は人々の行動範囲と交流を広げる(JR東日本HPより)

去る3月14日に上野東京ラインが開業した。朝・夕・昼のダイヤパターンを見て、今後のさらなる改善を展望してみよう。

上野東京ライン開業

宇都宮・高崎・常磐線と東海道本線を結ぶ線路が、1974(昭和49)年4月以来41年ぶりにつながった。

これにより、日本一の混雑区間である山手線と京浜東北線の上野→御徒町(激しい混雑は東京まで)の混雑が大幅に緩和される。1時間当たり48本(11両×24本+10両×24本)に15本(普通車13両×10本+グリーン車2両×10本+15両×5本)が加わる。

グリーン車2両を普通車1両に換算すると、504両に215両が加わることになり、約1.4倍の輸送力となる。JR東日本は「200%程度の混雑率が180%程度に緩和」と発表しているが、これは控えめの数値で、実際はもっと緩和されるだろう。

また、今まで上野での乗り換えを要した区間の所要時間が、大宮→東京45分が36分、柏→東京46分が39分(朝ピーク時間帯の平均)というように短縮された。

これらにより、宇都宮・高崎・常磐線の沿線に「住みたい街」が大きく拡がった。

開業後の様子

開業(http://www.jreast.co.jp/hitachi_tokiwa/uenotokyoline/:パンフレットや前頭展望動画あり)翌日の15日の昼、品川から上野まで乗ってみた。

前頭の展望を見たいと思い、先頭車に行ったところ、品川到着時点で運転席の後ろは人だかりで、東京→上野では横5人×3列の人たちが陣取り、一心に前方を見ていた。上野では出発の様子をカメラに収める人だかりができていた。

上野駅で上野東京ラインの出発を見送る人たち(2015年3月15日撮影)

これに近い光景が朝から晩までの全ての列車で続いていたとすると、大変な人数だ。開業初日はもっと多くの人たちが、上野東京ラインの開業を祝い、自分の目で現地を見に行っていたのだろう。

ここ数日、テレビ・新聞・ラジオ・ネットと、上野東京ラインのニュースに接する機会が多い。北陸新幹線開業のニュースはもっと多い。金沢では「百年に一度の重大事」と言われている。

鉄道の改良は、多くの人の心を揺さぶり、そして実際の生活を変え、地域の発展に大きな影響をもたらす。鉄道の威力の大きさを改めて感じた。

これだけ書きながら、私は「2015年の首都圏鉄道網はこれしか変わらない」と思っている。

鉄道は、もっともっと大きな力を持っており、明治以来積み上げてきたインフラの有効活用、ミッシングリンクを埋める新たなインフラの付加、いずれもできること、すべきことが膨大にあると、この連載で繰り返しお伝えしている。

上野東京ライン開業の様子を見ながら、本連載で提案していることを次から次へ実現できたら、どれだけ社会に役立つか、また、その実現に関わりたいと思っている人が社会にどれだけ沢山いるかに思いを馳せた。

朝、南行のダイヤパターン

1時間当たり、宇都宮・高崎・常磐の各線から5本ずつ、計15本が上野東京ラインへ直通する。

朝の運行パターン(JR東日本パンフレットより)