堀尾正明 集中連載【第4回】
「相手とすぐにうちとけられる、秘密の言葉があります」

NHKアナウンサー時代、夏にアテネ五輪開会式の実況をつとめ、その冬に「紅白歌合戦」の総合司会をやるという、よく考えるととんでもない偉業を成し遂げたのが、現在「Nスタ ニュースワイド」(TBS系)や「土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!」(TBSラジオ)でおなじみの、キャスターを務める堀尾正明さん。インタビュー相手の本音を引き出すことに定評のある会話の名人が、「おしゃべりの極意」「人たらしの会話術」を著名人の豊富なエピソードとともに伝授する短期連載、その第4回目です。1回目はこちら

 話し上手は聞き上手

有名人たちの本音を引き出してきた堀尾正明さん

私はかつて、「スタジオパークからこんにちは」(NHK総合テレビ、以下スタジオパーク)というお昼の生番組の司会を務めていました。

そこでインタビューさせていただいたゲストの数は2000人以上にのぼり、取材ノートが何十冊にもなりました。ノートには反省も必ず書きます。今読んでも汗だくになりそうなエピソードもありました。

この番組以外に「誰だって波瀾爆笑」(日本テレビ系列)などでもインタビューの機会は少なくなく、「聞き上手になりたい!」 と私自身も必死に精進してきたわけです。そんな私が掴んだコツをお伝えしたいと思います。

ところで、「聞くこと」は「話すこと」に比べて受動的なことと考えがちです。しかし、「話し上手は聞き上手」という言葉もあるとおり、コミュニケーションにおいては「聞く」側の能力がとても重要であり、かなり能動的な作業なのです。

相手がつい本音を言いたくなる質問のコツ

なかでも、会話を進めるにあたって、聞き手の言葉選び、つまり「聞き方」はとても重要ですね。聞き方ひとつで話し手が気持ちよく話せるかどうかが変わってくるからです。

たとえば、あなたの会社で自分の部署に異動してきた上司に対して、同僚に感想を聞く場面を想定してみましょう。そして、次にあげるふたつの質問の違いについて考えてみてください。

①「田中部長って、部下に遅くまで残業させる主義らしいよ、おまえどう思う?」
②「田中部長って、部下に遅くまで残業させる主義らしいよ、おまえ、子どもが生まれたばかりで子育て大丈夫か? 大変になりそうだな」

①が客観的に相手に投げかける普通の聞き方なのに比べ、②の質問の仕方は、相手の立場を考慮した「共感をともなう」質問の仕方です。つまり「田中部長が来たら、おまえの子育てに支障があるかもしれないなー」と相手の気持ちを代弁し、「おまえも大変だね」と同情する気持ちも入っています。

質問されたほうも「そうなんだよ、おまえもそう思うよなー、田中部長が来たら子育てと仕事の調整が難しくなるなー、いやだなー」と本音で話すきっかけにもなります。

さらに相手は、「おまえこそ大丈夫かよ、夜のスポーツジムに行けなくなるぞ」とこちらのことまで心配してくれるかもしれない。話が広がりやすい質問なんですね。