堀尾正明アナ「雑談術」 【第5回】
日本人より、イタリア人がモテて、韓国人が英会話の上達が早い理由

NHKアナウンサー時代、夏にアテネ五輪開会式の実況をつとめ、その冬に「紅白歌合戦」の総合司会をやるという、よく考えるととんでもない偉業を成し遂げたのが、現在「Nスタ ニュースワイド」(TBS系)や「土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!」(TBSラジオ)でおなじみの、キャスターを務める堀尾正明さん。インタビュー相手の本音を引き出すことに定評のある会話の名人が、「おしゃべりの極意」「人たらしの会話術」を著名人の豊富なエピソードとともに伝授する短期連載、その第5回目です。1回目はこちら

日本人は、仕事や生活に直接関係ない、くだらないおしゃべりでその場をつないだり盛り上げたりすることが苦手です。「何かのためになる」ような情報性の高い効率的なコミュニケーションは真剣に行おうとするけれど、一方で無駄話が下手です。

「無駄話」ができるからイタリア人はモテる

「ファティック(phatic)」という言葉をご存じですか? 

辞書をひくと「交感的な、交際言語の、交際のための言語使用」などと書かれています。あまりなじみのない言葉ですよね。

タレントとして活躍しているイタリア人のジローラモさんから、かつて聞いたことがあります。

「日本人はファティックが下手だよね、だから日本の男は女にモテないんだよ。イタリア人は、あんまり意味のない会話でも積極的に女の子にしていくんだ。じつは意味がなくても言葉を投げかけるってとっても大切なことなんだよ。

こんにちは! あなたはいつもきれいですね! これって、お世辞だし適当に言っているだけだけど、それを聞いてイヤな気分になる女の子はいる? いないでしょう。こういうこと話すと日本人はすぐ『軽薄』とか『軽すぎる』とか言うけど、黙っていたり無視したりするほうがよっぽど相手に失礼だよ。日本の男は失礼な人が多いよ」

イタリア人が女性にモテる理由は外見だけでなく、この「ファティック」にあったんだと改めて感じました。

ファティックは日本にはない概念です。ですから訳が「交際のための言語」としか書けないのです。つまり、どうでもいい無駄話をしながら他人同士が仲良くやっていくための行為のことをファティックと言うようです。