堀尾正明アナ「人たらしの雑談力」【第2回】
話し上手になるには、じつは「聞き上手」になればいいのです

堀尾正明さん
NHKアナウンサー時代、夏にアテネ五輪開会式の実況をつとめ、その冬に「紅白歌合戦」の総合司会をやるという、よく考えるととんでもない偉業を成し遂げたのが、現在「Nスタ ニュースワイド」(TBS系)や「土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!」(TBSラジオ)でおなじみの、キャスターを務める堀尾正明さん。インタビュー相手の本音を引き出すことに定評のある会話の名人が、「おしゃべりの極意」「人たらしの会話術」を著名人の豊富なエピソードとともに伝授する短期連載、その第2回目です。1回目はこちら

会って話したいと思う人の条件

話し上手になるにはどうしたらいいでしょうか。

それはずばり、「日常生活の中でいかに会話を面白がれるか」にかかっていると言ってもいいでしょう。

たとえば、あなたの友達の中でも、「あいつに会って話したいな」とたまに思う人がいませんか? そういう友達はどういう人物かを分析すると、

①知識があって話のネタ(話題)をたくさん持っている人
②どんな話題にも独自の見方、複眼的分析ができる人
③私のことに関心を持ってくれる人
④私の言うことをよく聞き、認めてくれ、私の話をふくらませてくれる人
⑤ユーモアがありときどき笑わせてくれる人

どうでしょう? こんな友達なら、いつ話しても楽しいでしょうね。

こういう魅力的な人間になるためには、さまざまな経験を積み、想像力を豊かにし、相手の立場に立ってものごとを考えられるようにし、そしてユーモアのセンスを磨く。さらに聞き上手になり、自己主張もきちんとする。

あなたの会社にこんな人がいたら、その人は出世すること間違いなしでしょう。

「人志松本のすべらない話」がご長寿番組になったわけ

そんな人の日常会話を聞いてみると、じつに面白い。

つまり、日常生活のちょっとした会話にも耳を傾けてしまうくらい雑談が上手なのです。

最近は、「雑談力」という言葉が重宝がられるくらい、「日常会話の鍛え方」が注目されています。

「人志松本のすべらない話」(フジテレビ系)というテレビ番組を見たことがありますか?

ダウンタウンの松本人志さんを中央に、お笑い芸人たちが円卓を囲んで、自分が経験したことを3~5分程度話して、笑わせたり、唸らせたり、感心させたり、必ず「オチ」をつけて話題を提供する。

この番組でうけるのは、突飛な経験よりも、何気ない自分の周囲で起こったこと。それを身振り手振りを交えながら熱弁をふるう、まさに「雑談力」のコンテストのような番組です。

ほかに、明石家さんまさんが司会の「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ系)にしても、出演者が自分のエピソードを披歴して「雑談力」を競う形式の番組が長い期間愛されています。

こうした番組を観ると、加工も演出もされていない、ただただ人が「話す」だけのスタイルなのに人気が衰えないのは、やはり「人は人の話を聞くことそのものが好きなんだなー」とつくづく感じるのです。

映像や音声を駆使してインパクトを与える映画や、ドラマ、音楽などに比べても、ひとりの人間から発せられる「言葉力」がどれほど影響を与えるのかもわかるでしょう。