【沿線革命028】 中央快速線にグリーン車導入より、早く、安く、「座れる」を実現する方策を提案する
ITの活用により、着席割増料金を無人で確実に徴集できる時代となった(阿部 等『満員電車がなくなる日』(角川SSC新書)より)

中央快速線に2020年度を目指してグリーン車が導入される予定だが、もっと早く、安く、「座れる」を実現できる方策を提案する。

グリーン車による着席サービス

JR東日本は、中央快速線等に2020(平成32)年度を目指しグリーン車サービスを導入すると発表した。現行の10両編成にグリーン車2両を増結し、車両新造116両とホーム延伸等に総投資額750億円と工期6年を要する。

一般車両の他に増結し、グリーン車を利用したい人は割増料金を払って「着席サービス」を享受し、一般車両は多少なりとも空き、JR東日本は収益を確保できる。誰も損をせず、良いことずくめだ。

しかし、「着席サービス」の根本に立ち返って考えるなら、もっと早く、安く実現できる方策がある。

着席と立席は本来、値段差を付けるべきだが、できなかった

現行の通常の列車では、着席と立席は同じ値段である。着席できるかは、運不運と努力と、言葉は悪いが図々しさによる。

中央快速線の朝ラッシュ上りと夕ラッシュ下りは、ほぼ全列車が始発駅で満席となり、始発駅でも出発時刻の数分から10分以上前から行列しないと座れない列車も多い。

着席は、立席と比べ商品価値が高く、乗車時間が長いほどその差は大きい。また、占有面積が広い分、生産コストも高い。商品価値も生産コストも高い商品の値段が高いのは社会の常識だ。

着席と立席が同額なのは不合理であり、同じ値段で座れる人と座れない人に分かれるのは不公平だ。かけそばと天ぷらそばの値段が同じそば屋はない。

早い者勝ちで天ぷらそばばかりが注文されて売り切れ、後から来店した人は高い値段を払う気があっても、かけそばしか食べられないとは変な話だ。客も店も損をする。

多くの人が始発駅で座るために行列しても供給される座席が増えるわけではなく、社会的に見れば、行列する時間の浪費に過ぎない。鉄道事業者は、買いたい人が沢山いる「着席サービス」という膨大なマーケットを取りこぼしている。

とは言え、20世紀に着席と立席で値段差を付けるには、みどりの窓口で指定席券を販売し、車掌が車内を検札して回るしかなかった。すし詰めの満員電車で、そんなことをできるわけがない。着席と立席が同額なのは、以前は仕方なかったのだ。