【第80回】 マーケットは「コンセンサス」通りには動かない!?
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「過去の経験則」に従えば、売り時を考えるタイミングに入ってきた

マーケットというのは不思議なもので、多くの市場関係者の見通し(コンセンサス)がほぼ一致した場合、得てしてそれとは逆に動き始める。思い起こせば、昨年11月ごろ、ほとんどの市場関係者が、「米国景気を牽引役とした世界経済の回復に伴う世界的な株高」でほぼ一致したが、世界的に株価は大きく調整し、結局、見事に裏切られた。

市場関係者や投資家の中には、「コンセンサス」という「総意」がマーケットを動かすと考え、やたらとマーケットコンセンサスを気にする人が多く存在する。だが、コンセンサスを知ったところで、その内容はすでにマーケットに織り込み済みであることが多いように思える。しかも、その傾向はリーマンショック以降、特に強まっているように思う。

そこで、問題となる現時点の「マーケットコンセンサス」だが、「米国の順調な景気回復と世界的な超低金利によって世界の資金は株式に集まる。ここ2、3日の株式市場の下落はあくまでも短期的な調整であって、上昇局面の持続のためにはむしろ望ましい」というものである。

世界的な低金利局面で債券関連のビジネスが不振の証券業界にとって株式の売買を増やすことが至上命題となっており、証券会社のエコノミストやストラテジストがこのような強気のシナリオを語るのは、商売上、仕方がないが、リーマンショック直後に某著名投資家が提唱した「グレート・ローテーション(債券から株式への資金シフト)」なる陳腐なキャッチフレーズを持ち出す関係者も出てきた。「過去の経験則」に従えば、株式投資戦略的には、むしろ、売り時(利益確定)を考えるタイミングに入ってきたのかもしれない。