政局
「人事が鬼門」安倍首相の足を引っ張る2人の側近
大臣たちに次々問題発覚、安倍首相の人事は鬼門である        photo Getty Images

首相・安倍晋三の足を2人の側近が引っ張っている。文部科学相・下村博文が「政治とカネ」の問題で政権のイメージダウンを招き、厚生労働相・塩崎恭久は公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運営で一時、官房長官・菅義偉、官房副長官・世耕弘成と厳しく対立した。

塩崎の「反乱」は安倍が乗り出し、「鎮圧」した。しかし、9月の自民党総裁選後とみられる内閣改造・自民党役員人事では、下村と塩崎の処遇が焦点となりそうだ。

下村文科相、政治資金疑惑続く

今国会で問題となっている「政治とカネ」の問題には2タイプある。国の補助金交付を受けた企業から政党支部への献金と、献金先が任意団体か政治団体かの問題だ。前者について、前農水相・西川公也が2月23日に辞任、その後、安倍、菅、環境相・望月義夫、法相・上川陽子、経済財政担当相・甘利明、農水相・林芳正も類似の献金を受けていたことが判明した。

しかし、民主党代表・岡田克也も補助金交付企業から献金を受けていたことが分かり、返還した。自民、民主両党議員が共に行っていたことになり、結局「痛み分け」になった。そもそも、政治資金規正法に抜け道が準備されているので、追及そのものに無理があった。

寄附の質的制限を定めた同法22条の3の第1項で、国から補助金などを受けた会社は、交付決定から1年間、「政治活動に関する寄附をしてはならない」と規定した後、第6項で、次のように書かれている。

「(この規定に)違反してされる寄附であることを知りながら、これを受けてはならない」

この「知りながら」という表現がくせ者だ。閣僚らは「知らなかった。知ったので返した」と釈明すれば、罪に問えない細工が施されている。

この項目は1975年の同法改正で加わった。これ以来40年間、問題があっても見過ごされてきたというのが実態ではないか。