「新たな産業革命」へ新戦略決定
日本経済再生本部 20年に市場規模2・4兆円目指す[ロボット]

パナソニックが開発した要介護者(右)が立ち上がるのを支援するロボット=東京都内で14年9月24日

政府の日本経済再生本部(本部長・安倍晋三首相)はこのほど、ロボットをさまざまな分野で活用し「新たな産業革命の実現を目指す」とした「ロボット新戦略」を決定した。日本はこれまで「ロボット大国」を自任してきたが、国際的な競争が激しさを増す中で危機感が募ってきている。新戦略では、世界をリードする立場を堅持するために、新たな開発と徹底した活用を目指して、2020年までのアクションプランと目標を設定。製造、サービス両分野で市場規模2・4兆円に拡大し、ロボットオリンピックの開催も打ち出した。

ロボットについては、日本は12年時点で産業ロボットの出荷額が3400億円と世界シェアの約5割、稼働台数は約30万台で、同23%を占め、生産、活用、研究など各方面で世界に誇る強みを発揮している。

しかし、米国が11年に「国家ロボットイニシアティブ」を発表し、人工知能や音声、画像の認識分野を中心としたロボットの基礎研究に毎年数千万ドル規模の支援をしている。欧州委員会は約180の民間企業・研究機関と共同で昨年、計28億ユーロ規模のプロジェクトを立ち上げて、実用ロボット開発を推進。中国も12年の「智能製造装置産業発展計画」で、産業用ロボットの国内売り上げを20年までに10倍の3兆元にする目標を掲げ、13年のロボット導入は3万7000台と、日本を追い抜き世界一になった。

政府は「ロボットによる新たな産業革命の実現」を成長戦略の一つに挙げている。新戦略はそのために(1)日本を世界のロボットイノベーション拠点とする(2)世界一のロボット利活用社会を目指し全国津々浦々でロボットがある日常を実現する(3)ロボットビジネスを推進するためのルールや国際標準の獲得に加えさらに広範な分野への発展を目指す――の3本柱を掲げた。また、民間のロボット開発投資の拡大を図り20年までの5年間で1000億円規模のロボットプロジェクトの推進を目指す、とした。