普通の若い女性がなぜ札幌市男女共同参画センターに集まるのか? 攻めの企画生む非営利組織のマネジメント戦略
「SAPPORO WOMEN'S EXPO」講演の様子

若い女性たちが集まる札幌市男女共同参画センターの吸引力

驚いたのは、若い人が多いことだった。札幌市男女共同参画センターには、20代から40代と思しき、働く女性や赤ちゃん、子連れの女性が足を運ぶ。「だんじょきょうどうさんかく」という堅い言葉になじみがある人も、ない人も、普通に集まっている。

大雪で飛行機が欠航し、札幌中心部でも小さなブリザードのような天候だった1月17日(土)、「SAPPORO WOMEN'S EXPO(女性の働くを考える1週間)」と題した女性の生き方、働き方を考えるイベントは最終日を迎えていた。筆者は「札幌発! 女性が当たり前に働くことのできる社会へ」と題したパネルディスカッションに登壇するため、同センターを訪れた。すぐに気づいたのは若い女性たちが集まる、センターの吸引力だった。

今回は、札幌市男女共同参画センターが働き盛り、子育て真っ最中の女性たちを惹きつける理由を考えてみたい。日本全体が抱える課題と同様、フェミニスト業界も高齢化が進んでいる。上の世代が戦って勝ち取ってきたものを「生まれた時から当たり前」に享受している若い女性たちに、何をどう伝えたら良いのか。そもそも伝える意義はないのだろうか、と悩む声も聞く。札幌のケースは「フェミバトン」の渡し方のひとつの成功例として参考になる。実際、20代~40代の働き盛り、子育て真っ最中の女性利用者が増えている。

平成21年と26年の年代別参加者数の比較

素人目にも分かりやすい強みは立地だ。札幌駅からわずか100mのところにあるガラス張りの建物「札幌エルプラザ」。南側の1階から4階が市の関連施設であり、男女共同参画センターは1階の総合受付、ライブラリ、3~4階にはホールや喫茶室、研修室とスペースをたっぷり取ってある。駅からは建物は地下道でつながっていて、悪天候の日でも傘をささずに駅から来られる。

例えるなら、丸ビルか新丸ビルに東京都の男女共同参画センターが入っているようなもの。ビームスやロクシタンやユナイテッドアローズが店を構えるような一等地に、男女平等を考える施設があるのだから、自然に人が集まるのも当然だ。